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”なぜ統失 第8部「寛解後&非言語 催眠編」(44)故・南裕先生「自己催眠講座」✨催眠術に掛からない様にされた?

前回のお話⬇️

ちらっと腕時計を確認すると、

時間は既に、講座が始まってから3時間以上経過していました。

”予定では2時間”

ホテルのチェックイン予定の時間に間に合うかなぁ…

等と考えていると、

「にゃぶりえるさん、時間はまだ大丈夫なんでしょう?」

⤴︎南先生。

「あっ、はい」

「今日は何処に泊まられるんです?」

「近くのビジネスホテルです。名前は忘れた」

⤴︎これ、質問に対してノーレスポンスで返事を返しています。

それから少し雑談を挟み、

「いいですか?、近々、必ずデカい地震が来ますからね!」

余りにも何度もしつこく繰り返すので、

ふざけて言っているのかと思い、

「あっ、地震が来るんですね!😆🎉じゃあ気を付けます!🎵

友達同士のノリツッコミ的な返事を返しました。

「そうですねぇ〜、3日以内には必ず来ます」

「3日を過ぎたらもう大丈夫です」

「はぁ…」


「じゃあ、これで掛かりやすくなった筈なので、もう一度掛かるか試してみましょう」

「はい」

「親指の爪と皺、どっちが見やすいですか?」

さっきから何度もやってる手のひらが固まるカタレプシーじゃん…

中略…

「これでもうあなたは手のひらを開く事は出来ませんよぉ」

なんか開く様な気がします…

「開こうと思わないで下さい!そのまま手が開かない感覚を味わって下さい!」

「え?」

「開かないでしょう!」

「ちょっと開かないかどうか試してみていいですか?」

「どうぞ」

手は普通に開いてしまいました。

「あぁ〜、開いていいかって尋ねる人は大概開いてしまうんですよ〜」

「はぁ」

催眠掛からないのかなぁ…

⤴︎心の声

「菅田将暉並みに掛からないって言われた事がある…」

「誰に言われた!!」


「アマチュアの催眠術師の人にです…」

掛からないってセリフは催眠術師に言われると、

催眠に掛からないって暗示が入ってしまうので禁句なんだそうです。


「にゃぶるえるさん、もし何かあったら、私の名刺に書いてある電話番号に掛けて下さい」

「はい」

「名刺の表と裏、どっちの番号に掛けるんだったか覚えてますか?」

「覚えてない!」

⤴︎また考えずにノーレスポンスで答えた。

南先生が名刺を取り出しました。

「この、裏の方の番号に掛けて下さい」

「はい」


「にゃぶりえるさん、ホテルはどこでしたっけ?」

「忘れた。東京なんとかホテル」

⤴︎これもノーレスポンスで答えています。

「思い出した。東京プリンスホテルです」

「あぁ〜あそこ、いいホテルよね」

⤴︎奥様。

「はぁ」

そこに泊まるのは今回が初めてです。

いいホテルでした。


※何かを思い出そうとする時、

人の黒目は上の方を向いてしまいます。

その瞬間を狙って暗示を入れるという技が有ります。

黒目が上を向いた(思い出そうとした)かどうかで、

嘘を付いているかどうか見破るという手段も有ります。


「じゃあ、そろそろ、これ以上遅くなると悪いので」

「あっ、はい」

二人に玄関まで案内されました。

「ワークスは行かなくてもいいからね」

⤴︎奥様。

「あっ、はい。高いから…」

「いや、そうじゃなくて…」

結局ワークスには行きました。

「にゃぶりえるさん、地震は絶対来ますからね!」

「あっ、はい!😁

⤴︎来るとは一ミリも思っていない。

「じゃあ、今日はありがとうございました!」

「あっ、はい。すみませんでしたね、催眠にかけれなくて、わざわざ遠くから来て頂いたのに…」

「いえいえ」

「何かあったら電話して下さいね」

「はい」

「では、失礼します」

「はい、ありがとうございました」

という事で、

南先生の「自己催眠講座」も無事終わり、

妙に生活感のある事務所を後にして、

そのまま予約していたホテルへと向かいました。


南先生が亡くなられたのは、

それから約3週間後の事。

奥様によると、僕が最後の受講生だったそうです。

此処に、謹んでご冥福をお祈りいたします。

次回へ続く。



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