なぜ統失?第2部「閉鎖病棟入院編」⑥仙人と握手くん

前回の続き

次に初日に声を掛けてきたのは、
髪はロン毛で肩まで、髭は胸まである、
まるで仙人のようなおじさんです。

仮にMさんとしときましょうか、

このおじさん、昔からずっと入院してるみたいで
入院のたびに僕を苦しめることとなります。

Mさんの親戚は森永乳業の創始者だそうで、
森永という名字の人は、
みんなご先祖様は一緒で繋がっているそうです。

とにかくおしゃべりで、
ほっといたら何時間でも僕の横で話すんです。

僕は気が弱いので、
話にひたすら相槌を打って耐えてました。

今考えると、ずっと話を聞いてあげてるから寄ってきてたんだと思います。

傾聴ってやつを自然とやってたみたいです。

ちなみにこの頃の僕は、自分のことをあまり人に語りませんでした。

この人、頭はおかしいけどマージャンは強いです。


次に紹介するのは、
仮称、握手くんです。

握手くんは、すれ違うたびに握手を求めてきます。

握手といえば、ハンドシェイクインダクションを思い出してしまいます。

夜になると、握手くんはハイタッチくんに進化します。

僕は、ハイタッチインダクションも出来そうだなとよく妄想してました。

手が痺れるほどのハイタッチをすれ違うたびにしてました。

スタッフに、よくハイタッチの音がうるさいと叱られました。

見た目は、僕と同い年くらいの男子です。

握手くんは、喋りません。

でも、囲碁が打てるんです。

僕は、ヒカルの碁を全巻読んでも、
囲碁のルールがさっぱり分からなかったので、
握手くんは、本当は天才なんじゃないかと思っています。

握手くんも、ずっと入院してるみたいです。


初日の登場人物の話はこれで終わりたいと思います。


次回へ続く





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?