間欠爆発症の薫子さん①

みんな、「間欠爆発症」って知ってる?
これは薫子こと私が、ネットでやっと見つけた自分の症状名なんだ。

もちろん、お医者さんに聞いたわけじゃないよ。
お医者さんてね、時々とっても面倒くさい。決まりきった質問に答えて、
「他人から見て、私がどのように見えているのかは分からないんですが、、」と健気なことを言うと、うんうんと目を診ながら(診察している
のだろう。)カルテに走り書きをしている。

そのお医者さんのカルテは、読めるのはお医者さんと私ぐらいだと思ってた。でも、そういえば先生には奥さんが居るから、奥さんも読めるはずなのよね。同じ医院の中だから医療事務の方々も読めるわよね。

なんで、カルテを患者が読んでいるかって?正しくはカルテじゃないわ。
私と同じ病気の人なら、分かるんじゃないかしら。ふふ。

一時期私は精神分裂病と診断されていた。それは今でもそうなんだろう。
私は、基本的に自分が納得しなければ医者の静止も聞きはしない。でも今まで本気で死にたいなんて思ったことはない。生きて、生きて、生き抜きたいの。占いを見ると私はそういうタイプみたい。気休めでも何でもいいから、
あなたも何かを武器として持って置いてね。それはいつか自分を助けるのだから・・・。


☆☆


薫子は爆発していた。
週に一度は「そのお方」が来るのだ。いつおでましになるか分からないその
お方。

最初は意味の分からぬことでぐずり出すことから始まる。たとえば、配偶者が「鬼滅の刃に最近ハマっててさぁ、、、」と楽しそうに言おうものなら、不機嫌になり、ぐずり出す。「私が今、カステラ2切れ食べたこと知らないわけ?今、見てたよね。食べすぎでしょ?こんな私嫌いでしょぉぉぉお?」「布団を畳む習慣は、あなたには無いわけ?だらしのない。」「ゴミだらけだ。ああ、視界がゴミだらけだ。あなたの周辺、ゴミだらけ。」

などと言いながら、段々怒りをエスカレートさせていく。それが「間欠爆発症」だということを、私はとうとう知ったのだった。


つづく
(この物語は、フィクションです。)

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