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Engineering Managerとしての組織面で取り組んでいることの整理
はじめまして、やまだ( @masaofyamad )です。
医師の臨床現場における情報収集や活用を支援するプロダクトを開発・運営する株式会社HOKUTOでEMをしています。
直近はQAチームのリーダーとして方針決定や施策実行をしつつ、EMとしてはメンバーとの1on1やエンジニア採用をしてまして、エンジニアとしては「エラー監視ツールで拾ったエラーを修正する妖精」として働いています。
今回のテーマは「Engineering Managerとして取り組んでいることの整理」です。
とはいえ、弊社ではEMに関して「エンジニア業務に加えてピープルマネジメントを行う」以外に厳密な定義があるわけではないので、あくまでも「"著者の" "開発組織を改善する際の" Engineering Managerとして取り組んでいることの整理」についての発信です。
バリューに沿った行動指針
具体的な話の前に、弊社はバリューの一つに「For Objective(明確な目的を設定し、達成することに執着する)」というものがあります。
そのため「とりあえず、なんか必要そうだからやるか」「この取り組み良さそうだから取り入れるぞ」などは基本的に推奨されておらず、
1. (該当のテーマにとって)理想的な状態はなにか
2. 現状はどうなっているのか
3. そこと現状のギャップはなにか
4. その中で特に解かなければならない問い(課題)はなにか
5. 問いを解くためにはどういうアプローチが望ましいのか。(なぜそうなのか) // ← これが具体的な施策だったり、方針だったりする。
6. 5の詳細設計を行い、解く
と考える必要があります。
これはEMとしての活動も例外ではなく、筆者はEMとして「強い開発組織を作っていくにあたって優先度の高い問いはなにか?」を探して解決することを求められています。
そのため、EMとしては頻回に「強い開発組織を作るにはなにに手をつけるべきか」を判断する必要があるのですが、その判断が局所最適なものではなく、なるべく全体最適になるように全体を俯瞰で見れるなんらかの手法が必要です。
このような背景があり、組織について考える際は下記のような開発組織の改善サイクルの構造を意識して行動しています。
組織の改善サイクルについての考え
組織や採用周りの施策を持つ際は、下記のような構造を考えています。
また、この図は「組織の改善」という超絶複雑なテーマを筆者の独断で切り抜いたものなので色々ツッコミどころ満載かもしれませんが、そこはご了承ください。
![](https://assets.st-note.com/img/1705912957869-6qDOqsDKjw.png?width=800)
この図は、
①. 組織の理想状態はミッションやビジョンを実現できている状態
②. 事業計画はミッションやビジョンを長期的に達成するものになってる
③. 理想状態への向かい方はバリューや評価制度(, 目標設定)から決める
④. 方向性を決定した上で、組織の強化と採用の強化の循環構造を回していくこと(採用を強化することで組織が強化され、組織が強くなることがより良い採用につながる状態を維持すること)が重要である
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⑤. 組織の強化は「個々人の能力や意欲の向上」「チームとしての生産性の向上」「チーム間・部門間の連携の向上」をそれぞれ分析し、改善する必要がある
⑥. 採用の強化は「卓越して優秀な人材が採用可能であること」「人材が活躍できる状態にする」をそれぞれ分析し、改善する必要がある
といった考えを示しています。
中身はほとんどありふれた内容ですし、組織の改善といいつつ「組織の強化」が内包されていたりと、もっと良い図式化があると確信してますが、この構造化では「(日頃の業務を超えて)全体像が見えること」や「眺めていると色々疑問が出てくること, 発展的な思考につながること」が大切だと考えているので、ある程度ざっくりしてても別に良いかなと思ってます。
また、弊社においては ① > ② > ③ > ④ の順番で結果に与えるインパクトが大きく、重要度は高いです。
例えば、理想状態への解像度が高くないと理想状態に辿り着く組織のカルチャーや評価設計、個人の目標設定がブレブレになってしまいます。
その結果、細かい部分で「この会社において重要なのはどちらなのか?」の判断ができなくなり、知らぬ間に追い求めている文化と実態の乖離が大きくなり、文化の形骸化が起きてしまいます。
例えば、
・組織の調和を重視して「合意形成や調和を重視し、ステークホルダー内で十分な議論を重ね全員が納得できる意思決定をする」という行動を徹底する
・意思決定の速さを重視して「施策は意思決定者の責任で決定が下され、意見の総意は重視しない」という行動を徹底する
この2つは両立が難しいものの、混同されることが多いと思っています。
これらが混同してしまうと、
I. 全体向けのメッセージとして「意思決定をする際にはみんなの意見を聞きます!全員が納得のいく意思決定をしていくことがなにより大切です」と発信する
II. 意思決定者には「あなたが最善だと思う意思決定であれば、あなたの判断でやるべきです」とフィードバックする
III. その結果、ステークホルダー全員の合意を形成しないまま意思決定がなされ「あれ?みんなの意見が尊重されるって話だったけど別に反映されてなくない?」といった摩擦が起き、最初に共有した従業員に対するメッセージ及び文化は形骸化してしまう。
※ 実際に経営陣が伝えたいメッセージは「意思決定をする際にはみんなの意見を聞くが、全員の意見が一致するまで議論していたら進まないので、最終的には決定権を持つ人が説明責任を追った上で実行します」なのかもしれない。
といった状況になりえます。
今取り組んでいること
この全体像を常に頭に置いているため、事業や経営全体に関わる①, ②に関しても、意思決定権こそないものの早急に理解した上で意見や疑問があればなんでも投げるようにしています。
![](https://assets.st-note.com/img/1706432571312-r7NujIH1cg.png?width=800)
また、上記の全体像を落とし込んだ上で、これまでは③の業務として「エンジニアカルチャーを明文化する」「評価制度の設計に関わる」といった業務などを行ってきましたが、直近具体的に取り組んでいる業務は④の「組織の強化」「採用の強化」部分が中心となっています。
組織の強化: 持続的な事業成長を生み出す
・メンバー個々人の能力や意欲の向上
ex.) 1on1, 目標設定, 評価 など
・チームとしての生産性の向上
ex.) チームの関心ごと以外のタスクの引き受け など
・チーム間・他部門との連携の向上
ex.) (他部署との連携もエンジニア個々人が円滑に進めることができる場合が多いので)特に何もしていないが、必要に応じてフォローする
採用の強化: 非線形的な成長を生み出す&成長角度を引き上げる
・卓越して優秀な人材の採用
ex.) JD定義, ソーシング, 面談準備, 面談, 発信や外部での活動 ← New!
・人材が活躍できる状態にする
ex.) 受け入れ準備, オンボーディング, 週次1on1
以上、EMとしてよりよい組織を作っていくために考えていること・取り組んでいることの整理でした。
さいごに
記事を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
今EMやエンジニアをしている方に少しでも役立つ情報があれば幸いです。
もしフィードバックやアドバイスがあれば、ぜひ教えてください。
また、この記事は組織周りに関する全体像の話をさせていただきましたが、今後は開発・QA関連の内容や組織関連のもっと細やかな部分に関しても発信していきたいと思っております。
最後に、弊社では全社的に採用を進めています。
特に開発組織だとQAエンジニア、シニアWebエンジニアの方を募集してます
とてもバリューの浸透度合いの高い会社でして、下記のバリューに納得感を持っていただける方とっては、本当に居心地が良くやりがいのある職場環境だと思っていますので、カジュアルにお話しさせていただけますと嬉しいです。
For Objective: 明確な目的を設定し、達成することへの執着心を持つ
- 目的が何であるかを理解し、自分の行動がその達成にどう繋がるかを常に考える。
- プロフェッショナリズムを持ち、目的の達成に執着する。
Be Open: 常に真実を追求し、情報共有においても議論においてもオープンな姿勢で臨む
- 徹底的に透明性を保つ。
- 率直に意見を交換し、議論を深めることで最善の意思決定を行う。
- 失敗を互いに共有し、よりよいやり方を組織で学ぶ。
In Partners: 他の人の視点を取り入れた上で、ミッション達成に最も近づけるような行動をする
- 相手の世界に深く入り込み、本質的な課題を解決する。
- 高い倫理観が求められる企業の一員であることを自覚し、1つ1つの意思決定がもたらす影響に配慮する。
カジュアル面談は下記のページから応募可能です!
参考
バリューに関する詳しい紹介ページ
Webエンジニアの募集要項
QAエンジニアの募集要項
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