【超短編小説】人の世界

目まぐるしく技術は進歩している。
そして挑戦を続けている。
宇宙開拓、人工知能、メタバースなど人は裾野を広げ、さらなる力を手に入れようとしている。
決して悪いことではない。むしろ、素晴らしいことである。
しかし、そこにゴールはあるのだろうか。
人はどこまで進歩すれば満足するのだろうか。

恐らく満足することはないのであろう。
人は好奇心旺盛な生き物である。慣れが生じてしまえば、さらなる進歩を遂げなければいられなくなってしまう。
となると、人は延々と進歩を続けていくことになる。
そうなることが一番望ましいのだろう。

私が人であれば。

技術革新が続けば、生活は豊かになり楽しくなるであろう。
しかし、私にとって人工知能が発達したり、ロケットを使って宇宙を行き来できるようになったとしても、関係のないことである。
それは君たちにとってだけのメリットである。
そう、君たちだけの。

だから、あまりはしゃぎすぎるな。
深追いしようとするな。
もし君たちが止まらないのであれば、私たちは止めに行くであろう。
私たちはあなたたちとともに同じ時間を過ごしていきたいのだから。

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