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⑤リトワン舞台・後編

前回のあらすじ。
震えるぞハート!燃え尽きる程ヒート!
刻むぞ血液のビート!
サンライトイエローオーバーMEHEM!!

「絶対に邪魔はしない」

これから起こる問題の前に、遅くなりましたが
自己紹介?をしたいと思います。
実際に自分と関わった人で1番言われる事が多いのが「真面目」です。自分でも感じる事はありますが、ここまで多くの方に言われる事には自分の行動、言動が周りにそう思わせてしまっていると考えています。
持論になるのですが「真面目」というのは役者をしていく中で良いと思える部分が少ないと思っています。自分を許せなかったり、型にハマってしまい新しい発想が出にくくなったり、稽古の楽しさが周りに伝わりにくくなったり、、、
これは自分が思っている事なので、そうは思わない人もいて当然です。一般的には「真面目」という言葉自体はプラスの意味合いで取られる事が多いと思われます。会社や家庭においても、提出物を期日までに出す、遅刻しない、歳関係無く敬語等、周りから「信頼できる人」という認識を得られやすいと思います。

長くなりましたが稽古の話しに戻ります。
稽古も佳境に入っていきます。通し稽古、素敵な衣装でのビジュアル撮影、それぞれが課題を見つめ、試行錯誤しながらも進んでいきます。
小屋入りでは、初のサインを考えました。
サインですよ?あの伊集院光さんとかやくみつるさんとかが書いているサイン。
悩んでいる中、周りの方々は次々と自分の写真にオリジナリティ溢れるデザインで書き起こしていきます。
「、、すげぇ、皆持ってるんや。サイン」
自分も愛犬の姫様の力をお借りして、何とか完成しました。描き慣れてない感が半端無いので要練習です。
美術のセットの迫力、モニターに映し出されるキャストの名前、音照の方々の彩り、
全てに心が爆発しそうなぐらいワクワクしました。
「もうすぐお客様に観てもらえる!」
そう思いながら本番当日を迎えました。

ここで問題を起こしてしまいます。
内容には触れませんが、簡単に言ってしまうと
ミスを犯してしまいました。そのミス自体もあるのですが、本題はここからです。
そのミスからの切り替えができませんでした。
あんなに邪魔はしない、救ってくれたとか色々思っていた上でのこの体たらく。
悔しさしか出てこなかったです。
アンサンブルキャストはそれぞれがそこに生きている人達なので、役への切り替えは死活問題と言っても言い過ぎでは無いと思います。
キャストの方々が「誰にでもある」「自分の時は、、」と励ましてくれた事は嬉しかったです。
ですが、そこで気付いてしまったのです。
「今までの稽古の中で、自分は周りの方々と信頼関係を作れていなかった」と。
ここで言う信頼関係はミスをした時に「ごめん!次はちゃんとやるわ」等の軽い感じの事です。
伝わりづらかったらごめんなさい。
自分の今までの「邪魔しない」と思っていたツケが返ってきたのだと思います。自分の責任です。
でも、やるしかない。責任を果たす。
頭の中は悔しさからまた厄介な方に考えが切り替わっていました。
そんな時、同じアンサンブルキャストの川上君が「楽しみましょう」と声をかけてくれました。
楽しむ?、、、。その言葉を聞いた瞬間、
走馬灯のように今までの稽古を振り返っていました。そして、一つの事実に辿り着きました。
「ああ、自分は楽しもうとしてこなかった」と。

「真面目」が役者にとって良くない方に傾いた例だと思います。
大前提として役者は「舞台が、作品が好き!」という気持ちを持って舞台に臨む事が1番良い状態だと勝手に思っています。ですが少なくともこのリトワンの稽古では「楽しむ」という姿勢は優先順位がかなり下の方になっていました。
そんな自分に喝を入れ、今までの稽古を改めて振り返り、楽しむ事に集中して公演に挑みました。
誰も欠ける事なく、怪我する事なく公演は無事終了しました。
共演者の方々、支えて下さったスタッフの方々、
観て下さった方々、本当にありがとうございました!

今更になってしまうのですが今回、リトルワンダーに参加できて良かったと思っています。と同時にこれから先の役者としての課題にも多々気付けました。
熱意と姿勢の心のバランス、稽古間の信頼関係、
舞台に挑む気持ちの切り替え、単純な体の使い方の技量不足。
気づけたのは今回同じ座組で共演して下さった方々のおかげだと思っています。
参加させていただいた事をこれからの糧に少しずつでもしていって、また皆さんと舞台で会えた時に胸を張って今度は周りの方々を支えられる役者になりたいです。

長々と続けてしまいましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました!
MEHEM最高!MEHEM最高!

撮影:脇田友

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