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必ず戻ると胸に誓ったあの日 父島

いっっってらっっっっしゃーーーーーい!!

いっっっってきまぁーーーーーーーーす!!

今でも記憶の中で響き続ける声。これは、小笠原諸島父島でのワンシーンです。何年たっても絶対に忘れることのできないあの光景。流すまいと意地を張ったけど、止められなかったあの涙。

私が皆さんに勧めたい旅先です。


東京から1000km

「若い二人は離れているけれど でね
約束しましょう また会う日の夜に」

朝、船内に流れる小笠原古謡「レモン林」が24時間の長い船旅の終わりを、そして父島での旅の始まりを告げる。


近づく父島:目的地が近づく時が船旅で一番好きな時

小笠原諸島は、有人島の父島と母島、その他多くの無人島で構成されています。東京からは約1000km、交通手段は船(おがさわら丸)のみ、なのに車は品川ナンバーという、他とは一線を画す個性を持つ離島です。

活気づく商店

賑わう商店:この後、悠長に写真撮ってる場合じゃなかったと後悔する


島に着き、メインストリートを歩くと、向かい合うように商店が見えてきます。入り口には大量の段ボール。そして島民で殺到する店内。それもそのはず、小笠原への船はだいたい週に1便のみ。つまり、物資も週に1回しか届かないんです。当然、船の入港直後は食材の争奪戦が始まります。

父島の滞在中、入港から3日後くらいに商店へ行ったことがありましたが、閉店するのかというレベルで何も食材がなかったです。ある意味、見どころの一つだと思います。


船入港前:夕飯の買出しに足を運んで絶望した
船入港後!!:こうも変わるかという変貌具合

息をのむ絶景

海:どこを見ても美しい海が広がる


天の川:中心地からすぐの場所でも満天の星空

小笠原と聞くと、きれいな海、満天の星空などがすぐに思い浮かぶと思います。もう、そのまんまです。景色の情報はガイドブックやネット上にあふれかえっているので詳しくは割愛しますが、どこへ行っても絶景。それでいて、世界自然遺産ということもあり、人間と自然の線引きがしっかりなされている、そんな印象を受けます。


沈没船:ビーチからシュノーケルなしでも行けた


また、沈没船を間近で見られたり、サメ(ネムリブカ)と一緒に泳げたりと、ちょっと変わった景色も見ることができます。

光るキノコ

ようやく見つけた1つ:漆黒の森で歓喜した


小笠原には、光るキノコ、ヤコウタケが生息しています。これを島では「グリーンペペ」という、とてもかわいい愛称で呼んでいます。

5月~11月の雨上がりの夜に観察することができる、ちょっとレアな存在。サイズは非常に小さいのですが、夜の森に浮かび上がるその光を見た時の感動は筆舌に尽くしがたいものがあります。ナイトツアーに申し込んだり、宿のスタッフさんにお願いしたりするのがお勧めです。

私は、見るために3日間生息地に通い、生えてきそうな場所に水をかけ続け、ようやく1つ見ることができました。
本州へ戻って数日後、大群生の写真が送られてきたときには崩れ落ちそうになりました。

島が静寂を取り戻す時

父島は、世界自然遺産。訪れる人は常に多く、常に賑やかです。しかし、その島が静寂を取り戻すタイミングがあります。


島のメインストリート:観光客が去り、静かな時間が訪れる

狙うはおがさわら丸出航後

観光客の多くは、1航海(乗ってきたおがさわら丸に乗って帰る)と言われる単位(約1週間)で来島していることが多いです。なのでほとんどの人が、父島からおがさわら丸が出航するタイミングで東京へと帰ります。この、観光客が帰り、また父島へおがさわら丸が戻ってくるまでの数日間は、地元の人達メインの島へと姿を変えるのです。これまでの賑わいが嘘のように静かな島へ変貌し、島本来の穏やかな空気を楽しむことができます。なので、その間も島に滞在できる2航海以上を私は強くお勧めします。

感動のお見送り

小笠原旅のハイライトと言っても過言ではありません。

見送り:一番奥の船には島で知り合った仲間たち

おがさわら丸の出航に合わせて、多くの船が並走してきて見送りをしてくれる一大イベント。それと同時に、共に過ごした仲間たちとの別れの時間。

各船から聞こえてくるのは、「いってらっしゃ~い」の声。それに対し、島を去る観光客たちは「いってきま~す」と返します。
港を出てからのわずか数分間。今までに経験したことのない感動を覚えるはずです。

そして、船は1艘、また1艘と減っていき、次第にその姿も消え、いってらっしゃいの声も聞こえなくなります。
声など届かない距離になっても、船の姿など見えない距離になっても、かすかにいってらっしゃいと聞こえるような気がし、いつまでも叫んでしまいます。

またいつか必ず


出航からしばしの時間が経ち、おがさわら丸が波を砕く音だけが聞こえるようになり、島での時間を懐かしみ、胸に誓うのは

「きっとまた、帰ってこよう」


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