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新婚、初めての朝【R15】

BLです。ご注意下さい。

『あなたの色に染まります』の後日談的なやつ。ジェフリー×オニキス。初夜、ひとつのベッドの上で仲良く過ごし朝を迎えたふたり。

大事なことなので二度言うぞ。BLです。


オニキスは執事という職業柄、寝起きはいい方だ。一度覚醒すれば暖かなベッドの誘惑にも負けずさっさと身支度をはじめられる。そんな彼も今朝ばかりは流石に気怠げだった。彼の寝坊の原因―ジェフリー卿―はすぐ隣でぐっすり眠っている。

"あっ、そんなにされたら…変になってしまいます!"
"大丈夫ですよ。もっと乱れて。"

昨日の出来事を思い出し、オニキスはひとり頬を赤らめた。半ばなし崩しに始まったとはいえ、ジェフリー卿の指に触れられるたびに全身が熱くなり、彼のものではないように跳ねた。
やがてオニキスの緊張が収まったところでジェフリー卿はうつ伏せにした恋人の双丘に頬ずりし、後孔に指や舌を這わせ…。それより先には進まなかった。受け入れる側の苦痛になりかねない挿入を避けてくれたのかもしれない。オニキスとしてはすでにいっぱいいっぱいだったけれど、ジェフリー卿はあれで満足したのだろうか?

"あなたの感じる顔が見られれば満足です。"

彼はそう言っていたけれど、少し申し訳ない気もする。だからといって余計なことを言えば墓穴になりかねないので黙っておくことにした。

(変なこと考えてないで起きよう。)

油断すると昨晩の記憶が蘇ってしまい落ち着かない。オニキスは布団から抜け出し、毛布を整えた。眠っているジェフリー卿はいつもより幼く見える。途端に愛おしい気持ちが湧き上がり、オニキスは恋人の頬に軽く口づけた。

「……そういう時は、唇にするんですよ。」
「え……うわっ!?」

袖を引っ張られ、オニキスはジェフリー卿の上に覆い被さるように倒れ込んでしまう。するとそのまま唇を奪われ、何度も舌を吸われた。

「どうです?目覚めの一番元気な時に…というのもいいかもしれませんよ?」
「いけません。まずは朝食をとらないと。」
「確かに。では続きはその後、ということで。」
「夜まで我慢して下さい!」

彼の腕に収まり続けていては朝っぱらから致してしまいかねない。どうにか脱出し、オニキスはキッチンへと向かった。
トーストにバターを塗り、ベーコンエッグを焼いていると、背後からジェフリー卿が抱きしめてくる。

「危ないですよ。座って待っていて下さい。」
「おっと。美味しそうな匂いがしたのでつい。……ふふふ、たくさん食べて精力をつけないと、ですね。」

その言葉に不本意にも期待してしまう自分も末期だな、とオニキスは思った。ちらと隣を見ると、ジェフリー卿は鼻歌交じりに紅茶の用意をしている。すべてが平和で幸せだった。

ふたりがちゃんと夜まで待てたのか、はたまた朝から致してしまったのか。それは各人のご想像にお任せする。


END

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