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メキシコトリオ+1 飯田市七里屋茶房ライブ 森田修史(Ts)岩見継吾(B) 永田真毅(Ds) 小山道之(G)

私たちはなぜこれほどまでに森田に惹かれ、魅せられるのだろう。その、永遠のハイマートを求め、魂の遍歴を重ねる心根をいささかなりとも察することができるゆえに、私は決定的にシャイな森田と、努めて音楽以上の交流を深めないできた。表現者をその表現以外で計ってはいけない。
当日、セッティングから明らかにイニシアティブをとりながらそれを周囲にはにおわせない態度は、逆に皆の信頼を感じさせた。
一曲目がサンバビートで入る。森田リードでリフ、AABA。森田ソロ。想像を絶するフラジオで森田泣く。リズム隊の確実なキープ。岩見の重い持続は快感だ。きわめてシュアなDs。森田たっぷりと入る。森田の奔放なプレイをバックがアウトに感じさせない。ベースはくっきり、ドラムスとギターは柔軟で豊かな歌、豊富なイディオム音質。岩見確か。ベースソロ極めて太い。BとDsのインタプレイ!Dsソロはジャズをよく知っている。森田アウトに引っ張りながらうまくまとめてくる。二曲目森田の愛娘愉己ちゃんの名前をとった一曲。AABA森田から小山。ギターがたっぷりと楽器を鳴らしていきなりびっくりベースソロ。よく歌うドラムス。森田ソロ。音型のアイディアたっぷり、少しもアウトに聴こえない森田とメキシコトリオ。3曲目テナーのリフから入る。ドラムスもイディオム豊富に歌う。Gたっぷりとエフェクタ深めだが泣きのフレーズ続く。森田アウトに行ってるのに歌はたっぷり。続いてギターのバース、エフェクタは軽くたっぷりと泣き。おなじみのクリスマスナンバーだった。コード選択のモダンさから森田が入ってくるまでわからなかったのだ。そうして森田らしいフェイク。怜悧で都会的なサウンド。B楽器全体を鳴らしてやがてG。ミディアム4に移行し、これは全員お手の物。森田の驚異的なフラジオが光る。森田が一歩下がってまずギタートリオが盛り上がる。森田ソロ。モーダルな演奏になりそうでならない。森田抜けてBDs高らかに歌い上げる。この時代には無用なとらえ方だが、Gがロックテイストで弾きこむ。ちなみに大サービスの信濃の国入り。次、岩見は何と形容したらいいのだろう。アフリカの大地の力か。強く、太く、深く。
セカンド。森田リフから。たっぷり歌うブルースフィール。続いて小山、エフェクタかけながらブルースフィールはたっぷり。最後森田。すれすれのイン。超フラジオ。コーダで私は郷愁のハイマートを感じた。やがて16からファンキー8ビート。森田のソロがグルーブする。抜けてファスト4Gのリードで進む。ややエフェクタ、支える歌うドラムス。本格派でありながらどこかアウトなB。さらに歌うDsソロ。拍節がきっちり明確で、打点も鋭く正確。最後アンサンブルは正確でキメもばっちり!今度はミディアム8ビートで、テナーとギターがユニゾる。私のソルフェージ能力では何度かわからないが、不協和に聞こえ、曲がどこか落ち着かない進行に感じた。森田が回せ回せと合図しながらコーダへ突入。森田作曲のバラード。森田たっぷりとストレートに。Gに移って倍テン。もう一度森田で岩見の情熱のボウイングが光る。最後ミディアム16、サンバビート。森田でリフ。やがてギタートリオで私はダンサブルな瞑想状態に入った。そうして不思議なベースだ。存在自体の外在性とでもいうのか、本格派のメインストリームスタイルの演奏がどこかアウトなのだ。
アンコールを聴きながら、私は冒頭の疑問を自問していた。ここまで森田の曲をずっと聴きながら、その持つ郷愁と私への親和性を反芻し、分析していた。大きな宿題を抱いたものだ。私は肩をすくめた。

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