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スキンシップ

※記事作成に時間がかかっているので、少しずつ時系列が変わっています。

彼女に会ってきた。
いろんな心配をしてみたけど、どうやら主に体調が悪かったようだ。
少なくとも俺のせいで精神的につらいとかはない様子だった。


会ってしばらくずっと抱きしめた。
珍しくキスもせずに。
「補給~~~~」「はぁ~~~~」
「回復する~~~~」
と力の抜けた声で体を預けてきた。
これは彼女がほんとに疲れてる時のサイン。

彼女と体を重ねるたびに感じること。
セックスは至高のスキンシップだ。
全力で彼女に愛を届ける時間。
だからルーティンはなくていいし、終わりがなくたっていい。

行為が始まると、すぐに息継ぎも会話も忘れて、ずっとキスし続けた。元々彼女は俺とのキスは夢中になってしまうというけど、この日は時が停まったのではないかと錯覚するほど。
互いが愛撫を繰り返す間も、気づけばキスをして。一度キスに戻るとずっとキスをしつづけて。

「会話もできん。笑」
「いらない。全部キスで伝わる。タチバナ氏が私を愛してくれてることが本当に伝わってくるよ。」

「女の子は脳で感じるから…。タチバナ氏と触れていると安心感で溶けるから全身が性感帯になったみたいになる…」

「やばい、キスしたすぎてとまらへん」

もうそのキスは、サービスをはるかに超えて、彼女がそれを求めていることは明白だった。ほしがりさん。笑

なんとなく、本当に少し元気がない気がした。だから、彼女のやりたいこと、のぞむことをずっと続けて、ゆっくり、全身を労わるように愛撫した。
彼女が好きな愛撫をいつもよりゆっくりと続け、彼女は果てた。ゆっくりなのに、彼女は腰が立たなくなるほど感じていた。
「タチバナ氏が触れてくれてる、って思うだけで全然違う…嬉しくて幸せが溢れる。やばすぎる。やばかった。」語彙力よ。

いつもこっちが気持ちよくなることばかり考えている彼女に「イかせてほしい…」と言われる瞬間ほど愛しく思うときはない。

その蕩けた顔を見つめながら、抱きしめてキスして、我慢できなくなった。

つながるときも、繋がってからもゆっくり。
つながりを感じるように…互いに一つになっていることを確かめるように。
動きもせずただ抱きしめて。そのまま、また時を忘れるような長いキス。
「すごい…全部つながって、本当に一つになってるね」
と言い、上に乗せた彼女は体を預けてくる。

五感のすべてが彼女で満たされる時間。
おそらく彼女も五感のすべてで俺とのつながりを感じている。

全てがつながったまま、動きもせず、キスし続け、密着している肌が少し汗ばみ、本当に一つになっているような感覚になった。

気づけば、おどろくほど時間が経っていて顔を見合わせて、笑う。

「理屈じゃないね」
「ほんとに」

急いでシャワーを浴び、
じゃあ、いつもの場所で。
そういって、軽い約束で待ち合わせて店を出た。
繋いだ手がいつもと少し違う感じがした。
力が入っていないような。


帰り道、昼の仕事の忙しさもあって、ちょっと疲れていること。
それで体調を崩したこと。
今日はゆっくり過ごしたけど、仕事に行く前すごく気持ちが沈んでいたこと。
俺に会った瞬間から自分でもびっくりするぐらい元気になったこと。
心が回復するなぁって思うこと。今はすごく元気になっていること。
存在がすごく大きくなってること。そんな話。

逆に俺からは、
おおよそ「決意」に書いたことを伝えた。
だからもっと理解していきたい。
将来、この仕事をしていたこと、そこで出会ったことを一緒に笑えるように。

すると、彼女は
「大事と思っている人がこの仕事をしてることが嫌は正論だと思うし、タチバナ氏が私にそう思ってくれるなら、思ってることは言って欲しい」
そんな風に言う。
「でもがんばってることを否定するような思いでそばにいたくない。やっぱり心も疲れてそうやから、心配はしてるけど。」
「それでも、思ってることは言って欲しいよ。それでタチバナ氏がしんどくなるのもいやだし」
「ずっと一緒にいたいは本気で思ってるから、そりゃしんどいことも多少はね。それよりも近くにいれないほうが嫌だし。」
「私は、今タチバナ氏にすごく精神的に甘えてる。関係のことも、わかって頼りにさせて貰ってる。私は転職でもしない限り環境も変わらないし、これからも出会いなんてないと思うけど、タチバナ氏の方がきっと私よりもいろんな人と出会う。だから、ずっとって言ってくれていても、もっといい人に出会うかもしれない。」
「100%ずっと、は言い切れないかな。だから、自分で自分を高く売るつもりはないけど、理屈じゃないって思えるなら、手放しちゃいけないよ?他の人に出会って、っていうのはないけど。俺の心が折れない限りは好きでい続ける。もう理屈を超えてるから。だからしつこく誘い続けるよ。笑 わかってて誘うのもさすがに申し訳なくなってきたけど。」
「私は申し訳ないと思ってるところもあるけど、前と変わらず誘ってくれるのはうれしいし、嫌な気持ちなんて全くないよ。」
「誘っていいなら、しつこく誘うけどね。でないと、たぶん○ちゃんは遊んでもいい、って思い始めても、自分からは言ってくれんでしょ。きっかけづくり。」
「たしかにそうかも。動くって大事なんやね。」
「そう思ってくれてるなら、一回ごはんぐらい行ってくれても誰も損しないよ。笑」
「正論すぎる。笑」


かたくなに次の駅は固辞されたけど、その割にすぐには車を降りたそうにはしなかった。

帰ってからのLINEも含めて、やっぱり、少し疲れているんだろうなぁ、と感じた。それと一緒に、俺を頼りにしてくれているとも。

決意したほどはっきり伝えられなかった。

人に甘える事が下手で、自由な人に囲まれて、人に気を配ることが当たり前と思っている彼女。その彼女が顔を見ただけで元気になれる。存在レベルで頼りにしてくれている。ある意味で、俺へは気遣いよりも甘えが勝ち始めてるんだと思う。勝ち負けじゃないけど、勝ったよね。笑

恋愛脳で考えたら、普通ならとっくにお付き合いしてる状態だと思うんだけどな。人生はなかなかムズカシイ。

でも、
「大事な人がしているのは嫌だと思うことが普通の仕事」
「過去であってもこの仕事をしていることは嫌って普通の感覚」
自分のしている仕事に負の感情があることがわかっていて、がんばろうとする彼女。
その背中を押すべきなのか、止めるべきなのか。
「決意」をしたときはこっちが努力して「押せるように」考えたけど、
本当は「止めてほしいのでは?」

そんな疑問も浮かんだ。
でもきっと彼女は直接それを聞いてもうんとは言わない。
それが言えるなら、もう答えはかえってくるはず。
前のとき、彼女はふわっとしていた辞め時や目標、俺と話をすることで具体的に描くようになった、そう言ってくれた。
だから、つらくてもある程度までは止める事はできないかもしれない。

押すか、見守るか、止めるか。また悩ましいな。

何ができるのかなぁ。

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