妊活ライターの不妊治療記録①

私が妊活に関する取材を始めたのは、約15年前。
これまでたくさんの不妊治療クリニックのドクターや胚培養士さん、妊活を得意とする鍼灸師さんや漢方の先生、妊活中の女性などにインタビューしてきました。取材したものは忠実に記事にしてきましたが、なかには話は面白いのに裏側をぶっちゃけすぎて記事化できなかった内容もあります。そんな裏話を交えながら、不妊治療についてや、クリニックの裏側などをお伝えしていきたいと思っています。
 
まずは自己紹介から。
私自身、かつて不妊治療を5~6年近く経験しました。その間、子宮外妊娠1回、稽留流産2回。結果的には子どもに恵まれることができましたが、先の見えない長~い長~いトンネルに入っているようで、本当にしんどい期間でした。
最初に妊娠したのは29歳のとき。生理痛はあったものの生理周期は順調、安産体型だと周囲から太鼓判を押されていた私は、妊娠しやすいタイプだろうなーと思っていました。その予想はあたっていて、避妊をやめたら即妊娠! 
その頃、出版社で毎日忙しく働いていた私は、仕事は大好きでしたが、ちょっと休みたいな~という気持ちになっていました。そんなタイミングでの妊娠はまさに神様がくれた休息。堂々と1年近く仕事を休む口実ができたわけですから、私の人生、予定通りだわ~なんて思って近所の個人病院へ行ったんです。「これでしばらく仕事から解放されるー!」とワクワクしながら。
 
ところが。
胎嚢は見えるけど、心拍が見えない、と。翌週受診してもやはり見えないと。でも血液検査で妊娠反応は強まっているから、子宮外妊娠かもしれないと。
 
正直、混乱しました。
 
ドクターいわく。
エコーでしっかり確認できないものの、たぶん卵管に着床しているっぽい。(子宮外の着床を超音波エコーで診るのは、当時はなかなか難しかった)子宮外妊娠はそのままにしておくと破裂してしまい最悪、出血によって亡くなる場合もある。私の知人のドクターも子宮外妊娠で、実際亡くなった。だから早めに処置をした方がいい。当院でできるのは開腹手術で卵が着床している卵管を切除すること。転院すれば抗がん剤を使って赤ちゃんの成長を止め、流産させることもできる、ということでした。
 
それまで手術なんて経験したことがなかった私。抗がん剤での治療がどんなものかよく分からないけど、選択肢が多い方がいいだろうと大学病院へ転院することにしたんです。
が、この選択が、実は長~くて、つら~い妊活の始まりでした。
 

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