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無職日記その8

 退職して4か月。
 思うことを書いていく。

1:「忌憚のないことを言ってくれる人」の重要性

 お盆の期間、1週間ほど実家に帰省している。
 田舎で久々に兄と姉に会った。恐らく7~8年は会っていなかったので、かなり久々の再会だ。
 自分が退職したことは事前に伝えていたが、顔を合わせれば当然そういう話も出てくる。耳の痛いことも言われるが聞かなくてはいけない。自分について忌憚のない意見を言ってくれる、貴重な存在なのだから。

 思えば、前職ではいつの間にか自分の代が最年長みたいになっていて、後輩ばかりの職場で働いていた。そうなると当然気を使われる。年上はというと社外の人なら大勢いたが、他社の人間に対してあけすけなことを言う人など滅多にいないだろう。だから等身大の自分へのフラットな意見を聞きそびれていた気がする。
 退職してからは、それに拍車がかかるようになった。なんせ誰とも会っていない。頻繁に会うのは近所のコンビニの店員ぐらいだ。だから自分を支配するものは自分の考えだけになってしまって、客観性を見失う。こうなると困ったもので、悪い考えが浮かぶと、ずっとそのまま流されてしまう気がしてくるのだ。
 だからこそ、「違う意見を持った他者」というのはとても重要だ。これをうまく咀嚼できるかどうかで人生が変わってくるとすら思う。いらん意見だと思えば切り捨てればいいし、良い意見を言われたら素直に受け止めて取り入れればいい。その案配がとても難しいのが問題だが。

 兄と姉とは、さらっと会ってさらっと別れた。まあ兄弟っていうのはそんなもんだ。ただ2人とも順調にライフステージを進めていて、子供たちはもう就職だの受験だのという話が出ている。独身の私だけが取り残されたような感じだ。
 焦りも多少あるけれど、自分で選んだ人生なのだから仕方がないな。寿命を考えればまだ40年ほど時間はある。人に自慢できるほどじゃなくても、満足して逝けるようなライフステージを自分も重ねたいものだ。

2:「田舎の道」について

 ボロい道路を田舎でよく見かけるようになった気がする。
 別に細かく調べてもいないので個人的な感想になるが、昔よりも明らかに手入れされていない道路を見るようになった。ヒビが入っていたり、縁石の部分が雑草で覆われていたり、道路の両端がぽろぽろと欠け落ちていたりなど。
 単純に、手が足りていないのだろう。もしくは自治体の税収がインフラに回せないほどひっ迫しているのか。こういったところにも日本の衰退を感じてしまう。
 ただ、東京では「そんなにやる必要あるか?」というぐらいに、さまざまな場所で道路工事をしていた。そりゃ交通量が多いだろうから当然だと思うが、なんだか労働力や資産の東京一極集中を見せつけられているみたいで複雑な気持ちになる。その10分の1でもいいから地方に回してくれればいいのに。
 ほとんど使われないものに手を入れても仕方がないだろ、という意見があるのも重々承知のうえだが、なんだかなあ……なんのために高い税金を払っているのか、たまに分からなくなる。


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