奥山に 紅葉踏み分け

ぬるいコーヒーはいやだ。時々カフェで、ミルクの泡の下からぬるい飲み物が流れてくると悲しくなる。注文するときに熱くしてくれといえばよい、とも聞くが、果たして個人の主観によるのか、お願いしてもぬる燗のコーヒーがでてきたことがある。それで、温度についてはあきらめることにした。ここまで書いておきながら、この話はメキシコに滞在していたときのことか、日本で感じたことだったか、わからなくなった。メキシコならありえる話。
ところで、メキシコで熱いを意味する言葉はカリエンテcaliente。チョコクロワッサンを買ったら、可愛いパン屋さんが、カリエンテ?と聞いてくれる。うんうん、とうなづくとチンしてくれたチョコとろりのクロワッサンを包んでくれる。要注意なのはシャワールーム。水栓の近くにcが書いてあったとしても、冷たい水を求めてはいけない。calienteな水をざあざあ浴びてしまうことになるのだ。
さて、今日の百人1首。落ち葉がしき積もった山奥で、雄鹿が雌鹿を思って鳴く声。秋が一層悲しく感じられる、とのことです。

奥山に 紅葉踏み分け 鳴く鹿の
聲きく時ぞ 秋はかなしき
猿丸大夫

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