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人めも草も かれぬと思へば

久々のジムで疲れ切っています。寝ます。 山里は 冬ぞ寂しさ まさりける 人めも草も かれぬと思へば 源宇于朝臣

    • いつみきとてか

      観光地のあれやこれやは、親切なタクシー運転手さんに教えてもらうにかぎりますな。先日出かけた先でもオススメのお菓子屋さんを教えてもらい、帰りに買い込んでたところ、偶然また同じタクシーが通りかかった。運転手さんはガッツポーズでもしそうな勢いだったが、お菓子買うまで、どこかで見張ってたわけじゃないよね。 みかの原 わきてながるる いづみ川 いつみきとてか 戀しかるらむ 中納言兼輔

      • 峯のもみぢ葉 心あらば

        アデランテ!!すすめ!! 威勢のよいスペイン語がテレビから聞こえてくる。家族が西部劇をみているのだ。西部劇からはたいてい、乾いた空気とメキシコ人を装ったスペイン語単語が流れてくる。 そういえば、同じスペイン語学校に通っていた女性が、Netflixでスペイン語の映画を見て勉強したけど、覚えた言葉はもっぱら、トランキーラ!!落ち着いて!!なんて、緊急事態に発するものだったと言っていたっけ。 小倉山 峯のもみぢ葉 心あらば 今一度の みゆきまたなむ 貞信公

        • 名にしおはば

          昨日は寒くて外を歩くと、まず、耳の縁がいたくなった、寒くて。次に、地肌。髪と髪の隙間から、寒さが入り込んできた。えりまきをして、手袋をはめて、ジャンバーの中も相当着込んで寒さ対策は万全だと思っていたが。頭を忘れていた。帽子をかぶるんだった。ふと、耳なし芳一を思い出した。 寒さに頭が持って行かれなくて、よかったよ。 名にしおはば 逢坂山の さねかづら 人に知られで くるよしもがな 三條右大臣

        人めも草も かれぬと思へば

          此の度は ぬさも取あへず 手向山

          今年の目標は毎日日記をとにかく書くことだったのに、ついうっかり、昨日はわすれてしまった。 一回書き損じると、途端にやる気がうせるものだ。絞り出していた書くことも、今日はなにも出てこない。気分が後ろ向きだ。給料が出たばかりなのに、各払い先に振り分けたら、手元に残った金額がわずかなのも、追い打ちをかけてくる。これでは美容院にもいけないではないか。気分が落ち込むので、早く寝て忘れるのが一番と思い至る。 島流しになったこの人の恨みに比べたら、私のこの落ち込みなぞ小さな痛みだろうよ。

          此の度は ぬさも取あへず 手向山

          千々に物こそ 悲しけれ

          うちの犬はルーティーンをこよなく愛する。いつも通り、でないことが起きると、とり乱して激おこだ。先日、いつもの動物病院に月に一度の爪切りと肛門絞りに出かけた。しかし、姉さん、事件です(古)看護師さんに深爪されてしまい、流血したもんだから、さぁ大変。怒りがおさまらず、診察室を出た後も狂ったように泣き叫ぶ。ほかの患者様(お犬様)は怯え、飼い主様は苦笑している。こちらが、No!No!と黙らせようとすればするほど、泣き叫び、さらに笑いの渦が起こる。あぁ。。笑って流していただけてありがた

          千々に物こそ 悲しけれ

          むべ山風を 嵐と云ふらむ

          今日は大相撲の千秋楽。優勝した力士がインタビューで、場所は14日あるので、その間、集中して気持ちを切らずいなければならない、といった内容の受け答えをしていた。14日間も気が抜けないなんて。 相撲はどこかのんびりしたイメージを感じていたが、やはり格闘技。闘うひとの心持ちは厳しいものだと思った。 話変わって、今日の百人一首。詠み手は小野小町の恋人のひとり、だそうだ。小野小町って、随分とお盛んだったのね。 吹くからに 秋の草木の しをるれば むべ山風を 嵐と云ふらむ 文屋康秀

          むべ山風を 嵐と云ふらむ

          今来むと

          今日の百人一首、切ない。今行くーと言われたばっかりに寝ずに待っちゃったけどさ、夜が明けちゃったんですけど。との解釈もあり。恐らく、言った人は何の悪気もないし、社交辞令で言ったのかもしれない。あるいは、しつこく誘われて辟易として口から出まかせを言ったのかも。それを、素直に受け取っちゃって期待して長々待っちゃってさ、と何百年も前の察しが悪いこの詠み手に、共感してしまった。 今来むと いひしばかりに 長月の 有明の月を 待出でつるかな 素性法師

          みをつくし

          昨日、当方がおならをした際、近くにいた母親が振り返って「呼んだ?」と。ますます、耳が遠くなっている。 佗ぬれば 今はたおなじ なにはなる みをつくしても あはむとぞ思ふ 元良親王

          みをつくし

          逢はで此世を

          今日は何の日か尋ねたら、119番の日だと。 いや、違う。BSフジで何の時代劇が放送される日かを聞きたかったのよ。何の(時代劇の)日か?と。 家族とはいえ、わかり合えるわけではないと、悟った日。 難波がた 短き蘆の ふしの間も 逢はで此世を すぐしてよとや 伊勢

          逢はで此世を

          住の江の

          ずっと、てんまん だと思っていた天満。関西の地名には馴染みがないので、他にも間違えた読み方で覚えていそうだ。逆に、関西の子が、上野毛を うえのけ と読んだ後、したのけ は無いんか?と聞いてきたときは衝撃を受けた。 住の江の 岸に寄る波よるさへや 夢の通ひ路 人めよくらむ

          ちはやぶる

          いまも50肩に悩まされているのだが、一番効いたのは運動だった。(勿論、状態がよくなってからの話だが。) コロナ禍で何年か遠ざかっていたボクシングジム通い。久々に再開したところ、意外にも七割がた動けた。そして、肩の可動域が少し広がった。肩甲骨の動かし方を思い出せた気がするのだ。 千早振る 神代もきかず 竜田川 から紅に 水くくるとは 在原業平朝臣

          ちはやぶる

          まつとしきかば

          うちのイッヌは毛が薄いので洋服を着せている。夏も、毛が散らないように着せている。(薄くても毛は抜け落ちる。) 小さい頃は洋服を嫌がって、着せようものなら、吠えて噛みつき、そのたびに飼い主流血の大惨事になっていた。最近はお互い大分慣れたようだ。それでもなお、彼は洋服の袖に噛みつき、すぐボロボロにしてしまう。かわいいと思って買ったのに。飼い主の思い入れたっぷりなお洋服が、すぐにダメージ加工が施される。そこで、最近ようやくひらめいた。袖をかむなら、袖なしにすればよいじゃないの。狙い

          まつとしきかば

          君がため はるの野に出でて 若菜つむわが衣手に 雪はふりつつ

          もう黒いスポーツブラはしてないのか。 La lega espanolで活躍する久保建英がゴールが話題になっていてた。前半の得点だったが、彼はバーッとユニフォームを脱いで喜んでいた。それを見て、冒頭の黒いスポブラを思い出したのだ。いや、正確にいうとあれはGPSを内蔵した、試合中のパフォーマンスを計測するデバイスとのことだったが。 Real sociedadに移ってからの彼の活躍ぶりは、サッカー門外漢の自分から見ても目覚ましく、今までの苦労が報われたのか、いや、彼をうまく使えなか

          君がため はるの野に出でて 若菜つむわが衣手に 雪はふりつつ

          われならなくに

          テレビをつけたらたまたま、WOWOWで「12人の優しい日本人」をやっていた。三谷幸喜の本を読んでいるおりもおり、なので、そのまま見続ける。これを映画館に見に行くかと言われたら即答できないが、想像以上に面白かった。12人の陪審員達が、殺人事件の犯人の有罪、無罪を話し合って決めていくだけのストーリー。出てくる場所も、会議室のみ。(休憩でトイレにいったり、外に出たりはするが。)なのだが、主張する人の圧で無罪が優勢になったり、有罪が優勢になったり、状況がころころひっくり返る。自分がこ

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          戀ぞつもりて 淵となりぬる

          女の監督がつくった作品は女性らしいし、男の監督がつくった作品は男性らしい。作品をみると、やっぱりそれが出るんだよね、みたいな話を、以前会社の上司が話しており、その通りだよなと私も思っていたのだが。近年、その考え方が変わってきた。友人の撮る写真がきっかけだ。彼女の撮る写真の画角や、写っている人物のシャープさは、一般にいう男性らしさとも違うし、女性らしさともかけ離れている。かわいらしい外見とは裏腹に、彼女の率直な物言いや厳しさが、対象と真剣に対峙した表出。思うのは、これも使い尽く

          戀ぞつもりて 淵となりぬる