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彩。♯4


サカガミ邸での夜会の後、朝方に帰ってきたルナとカヲル。

ーー悟のアパートにて。

「悟っ!面白いヤツに会った!能力者が居てさーー」

朝からルナに叩き起される悟だった。

「テンション高ぇな……寝ろよ……」


ーースズタニ運送。

「おかえり、カヲル」

スズタニはカヲルを会社で待っていた。聞いてた報告がどうも不穏なものであったが故である。

「スズねぇ、依頼相手の詳細ってわかった?」
「どうも偽名っぽくてねぇ、振り込まれた金もどうも偽造口座からみたいなんだよねぇ……」
「そっか……」
「よく怪我しないで帰ってきたよ、カヲル。強くなったねぇ」
「ルナがサポートしてくれたからね」
「あら❤いいコンビになってきたみたいねぇ」
「あ、それとね!帰りのバスの中で能力者の子と会ったから、スズねぇの名刺渡しといた。行くところに困ったらおいでって」
スズタニは笑って言う。
「それはいいことしたね、カヲル」

そこにサカガミが現れた。
「おはよう、スズタニさん」
「おや、昨日はありがとうねぇ、ご馳走になっちゃって」
「おはようございます、サカガミさん」
カヲルが丁寧に頭を下げる。
「おはよう、カヲルちゃん。スズタニさん、あの話を詰めに来た」
「ああ、そうだね。わたしらにちょっかい出して来てる輩も居るようだからやっておかないとね」

『合同会社 スズタニコーポレーション』

運送業ベースに裏稼業も請け負うのは継続。
そこにサカガミのホストのお店経営と、裏稼業ヘルプ。

裏稼業請負口は『冴子』が担当になった。

代表取締役社長『鈴谷玲子』
副社長『阪上壱也』

今後は共に共同戦線を張る。
如何なる時も、共に在るという約束とともに。

「細かい金の話は、サカガミ、あんたに任せるよ。あんたを信じる」
「わかった、任せてくれ。そのウチ、ビルでも建てようぜ」
サカガミとスズタニは笑って未来の話をした。


朝からハイテンションのルナが眠りについた頃、悟は街へ。

冴子の料理模倣を習得した悟は、試してみる為に食材を買いに来ていた。

ーーなかなか奥が深いな、料理ってやつは。

料理にハマりつつある悟は少し苦笑い。望みの材料を買い込み、家路へと向かう悟。

駅前でティッシュ配りをしている男の子が悟に差し出す。
それはポケットティッシュではなく、小さい封筒に『伊能悟』と書いてあった。
「何者だ?おまえ」
ティッシュ配りの男の子へ殺気を込めて放つ言葉に
「えっ!?あれ?あ、ごめんなさい!ティッシュのつもりだったのに」
男の子は我に返ったかのような振る舞い。
ーー操られていたのか?
「いや、いい。貰っておく」
封筒を男の子から受け取り、封を切って中を確認する。

読んだ文章を『模倣』して頭に残し、手紙を破り捨てた。

「やるか……」

決意に満ちた表情で悟は自宅へと戻った。


𝓽𝓸 𝓫𝓮 𝓬𝓸𝓷𝓽𝓲𝓷𝓾𝓮𝓭

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