好きなものを冷静に語る話力


先日山田雅人さんの「かたりの世界」に初参戦した。「参戦」と記載したのには、理由がある。実は私、何を隠そう大の野球オンチ。自慢ではないが、セリーグとパリーグの区別もつかぬ、超非国民だ。そんな私が、野球メインの講演会に参加するとなると、それはもはや戦レベルだ。
ところがいざ参戦してみると、びっくり。山田さんの「話力」に圧倒された。

「話術」ではなく「話力」。

そう。彼のかたりには、小手先のテクニックで片付けることができない力が宿っている。
全身全霊をかけて聴衆に言葉をプレゼントしているのだ。
もちろん、テクニックは素晴らしい。彼のかたりを見ていると、話し方というのは、立ち振る舞いから全てを「魅せる」事であることがよく分かる。努力に裏打ちされたものである事も見て取れる。
しかし、それだけでは説明がつかない、奥底から滲み出るパワーがあるのだ。

野球が好きなのだから、「好きなもの」を語るのであれば、当然だろうと思うかもしれない。しかし、「好きなもの」をこれだけ冷静に、澱みなく、寸分足りとも噛まずに話す事ができるだろうか。

私は、絵を描く事が好きだが、好きすぎて冷静に語る事など、もはや到底無理であろう。 
そこに彼のプロ魂と愛を感じた。

私のように野球に興味がないものまでを引き込む、山田さんの「話力」。

今後も益々注目していきたい。
そして、言葉を「プレゼントする」これが本来の「プレゼン」なのではないかと、強く思う今日この頃であった。

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