【第25位 ダービースタリオン全国版】私の競馬の原点オグリキャップ、そしてダビスタ
【ゲームデータ】
●発売日 1992年8月29日
●メーカー アスキー
●機種 ファミコン
第35回有馬記念
オグリキャップ先頭! オグリキャップ先頭!
そして、そして ライアン来た! ライアン来た!
しかし、オグリ先頭! オグリ先頭!
ライアン来た! ライアン来た! オグリ先頭!
オグリ1着! オグリ1着! オグリ1着! オグリ1着!
右手を上げた武豊! オグリ1着! オグリ1着!
見事に引退レース、引退の花道を飾りましたスーパーホースです!
オグリキャップです!!
1990年12月23日、第35回有馬記念。
17万人の大観衆で埋め尽くされた中山競馬場の最後の直線を、このレースで引退となるオグリキャップが1着でゴール版を駆け抜けた。
冒頭の一連の文章は、テレビ中継の最後のゴール前の実況を文字にしたもの。
武豊が実際に挙げた手は右手ではなく左手。
冷静沈着なアナウンサーですら興奮で間違えるほどの熱狂かつ感動な光景。
当時17歳、高校2年生。
競馬の事はほとんど何もわからない。もちろん馬券も買っていない。
有馬記念の馬券を買っていた親父とテレビでなんとなくその光景を見ていた私だったが、目の前で起こった奇跡にただただ圧倒された。
よくわからないはずなのになぜかこみ上げてくるものがあった。
ただ前だけを見て一生懸命走る競走馬に、純粋に感動した。
園部博之氏の魅力再び
感動の有馬記念を目の当たりにしたものの、さすがにそこから毎週競馬を見るようになったわけではありません。
当時高校2年生の冬。大学受験まであと1年。
さすがにその状況で競馬にハマっている場合ではない(笑)
ゲームを封印して受験生活に入ります。
私が生まれた昭和48年は第二次ベビーブーム世代のピークで出生数が209万人。(ちなみに昨年令和4年の出生数は77万人)
これだけの人数の世代という事もあり、大学受験も超激戦。
浪人が珍しくない時代ですが、私もしっかり(!?)浪人を経験することとなり、ゲーム封印がもう1年続きます。
なんとか浪人時代を1年で終えることができ、1993年4月、晴れて大学生となることができました。
当然ゲームも復活です(笑)
受験生時代に気になるソフトがいくつか発売されましたが、その中の1本が「ダビスタ」でした。
競馬が好きだからというよりも、作者である園部博之さんの前作「ベストプレープロ野球」が大好きだったこともあり、その続編(?)とも考えられるこのソフトがどんなゲームなのか気になっていたのです。
しかも冒頭でお話したように、オグリキャップの有馬記念で”競馬が好き”という資質に気づいてしまっていた私でしたから、購入するのに躊躇はありませんでした。
原点
「ダービースタリオン」というゲームを改めて紹介します。
初代「ベスト競馬・ダービースタリオン」が発売されたのが1991年12月。
そして1992年8月に続編「ダービースタリオン 全国版」が発売されます。
全国版は基本的なシステムは初代と変わりませんが、厩舎が美浦か栗東かを選べるようになり、関西のレースにも出走できるようになりました。
「初代」の発売時から気になっていましたが、受験を終えた時にはすでに「全国版」が発売されていたため、続編にあたる「全国版」を購入したのを記憶しています。
プレイヤーは競走馬の生産、調教、出走を繰り返しながら馬を育て、最終的には全GⅠ競走タイトルの獲得を目指します。
ゲームは1週間単位で進行し、平日は牧場での生産や厩舎での馬の調教。
休日は競馬場でレースが行われます。
非常にシンプルなゲームシステムが特徴で、他の競馬シミュレーションゲームにあるような、騎手や調教師向けに色々なイベントが起こるようなこともなく、ただひたすら強い競走馬の育成に向けて、生産、調教、出走を繰り返します。
このシンプルで単純なシステムだからこそわかりやすく、中毒性がありました。
特筆すべきはレースシーン。
もちろんファミコンなので音もグラフィックもチープではあるものの、実況の存在がすばらしく、スタート、道中、最後の直線と画面が切り替わり、まるでテレビ中継を見ているようにレースに没頭することができました。
まして、自ら名付けて手塩にかけて育てた愛馬たちが走るその姿は、まるで本当に馬主や調教師になったかのようにのめり込み、時間を忘れるほど熱中していたのを覚えています。
テレビに向かって、本物の競馬のように「残せー」や「差せー」とか叫んじゃうんですから、このソフトの魅力はすさまじいものがありました。
素質ある子が生まれた時の喜び
逆に予後不良による突然のお別れ
新馬戦で圧勝したときの未来へのワクワク感
逆に、思うように成長しなかった時の閉塞感
人気ジョッキーが騎乗してくれた時の高揚感
逆に、継続騎乗を断られた時の絶望感
初めてG1を勝った時の感動
しかしそんなに簡単に強い馬は生まれないジレンマ
何回も勝てたスプリンターズステークス
いつまで経っても勝てない朝日杯
理想と現実のはざまに揺れ、喜びと失望が交互に訪れる筋書きのない展開にいつの間にかハマっていきました。
ファミコンからスーパーファミコン、そしてPSへと正統な進化を遂げていき、ダビスタ旋風を巻き起こしていきます。
特にブリーダーズカップという他人が育てた馬と対戦できるようになると、さらに遊び方が広がりました。
特にハマったのはスーファミ版とPS版でしょうか。
大学生の友人と集まっては何度も対戦。
睡眠時間を削って育て続けました。
しかし2000年以降に発売された64版やPS2版では操作性の悪さやロード時間の長さなど快適さが失われていき、ダビスタブームも終焉を迎えます。
私もいつの間にかダビスタから離れていくことになります。
そんなシリーズの変遷ですが、特に時間を費やしたのはスーファミ版やPS版なのかもしれませんが、思い出に残っているのはやはり最初に体験したファミコン版です。
それは私に取っての競馬の原点の一つですから。
オグリキャップの有馬記念で競馬の魅力に気づき、ダビスタで競馬の奥深さを知った私は、リアル競馬が趣味になっていきます。
私ぐらいの年代で競馬が好きな人の中には、きっかけがオグリキャップだったり、ダビスタだったりする人は結構いるのではないでしょうか?
しかし50歳ということはおよそ30年趣味が続いているということになりますね。これだけ長くやってるのにいまだに馬券ベタ(汗)
やっぱり奥深いです(苦笑)
第68回有馬記念
令和5年12月24日、第68回有馬記念が行われます。
あのオグリキャップの感動から、あのダビスタとの出会いからはや30年。
競馬の魅力の一つが、ああでもないこうでもないと予想をすること。
この時間が一番楽しかったりします。
まして有馬記念という1年で一番盛り上がるレースの前日が最も楽しいかもしれません。
そう、この記事を書いている今日がまさにそうなんです。
というわけで私も明日に向けてしっかり予想をしたいので、そろそろ、今回の記事の執筆はこれにて終了とさせてください(笑)
明日、有馬記念の馬券を買う人すべてにGOOD LUCK!!
『ダービースタリオン』制作スタッフの皆様。
思い出に残るゲームを遊ばせて頂きまして、ありがとうございました。