見出し画像

母のそばで♡知らないことは教えてもらおう篇

医療費の限度額設定



95歳の母は私の家で療養している。
お世話になっている病院で「医療費の限度額設定」をするように言われた。
なんでも「限度額」を超えないようにして頂ける、ありがたい制度らしい。

役場に行けば申請用紙もあるだろうし、わからないことは教えてもらおう
善は急げだ。さっそく役場に向かう。

母の家は私の家と「市」が違うので、母の家がある「市」で申請するように教えてもらった。
母から離れるのは不安なので妹に頼む。
この前もちょっと買い物に出かけた時に、母は苦しんだから。

妹は役場で申請してくれた。そして持ってきたのが次の3点。


①「後期高齢者医療限度額適用・標準負担額減額認定証」
②「介護保険被保険者証」
③「介護保険負担限度額認定申請書」

①②はわかる。
③は中身が難しくて、何のことかわからない。
妹もよくわからないまま、もらってきたようだ。
そして謎の一言。
「通帳と印鑑を持ってきてください、って言われたよ。」

???
よくわからないけど、役場の人が言うのだから間違いないよね。
母の通帳と印鑑を預けた。

後日、妹が来て言う。
「持ってる通帳全部出さないと、らしいよ」
えっ???

審査か何かあって、お金をある程度持っていたら限度額が設定されないのかな?
もしそうなら、病院でそれなりの話があったはず。
いやぁ?! わからない!!

夫が「地域包括支援センター」に聞いてくれた。
すると「特養」や「老健」に入所する時に必要だということ。
今はいらない、ということがわかった。

なぁんだ、そうなのか。
さすが包括さん、頼りになる。
では③の書類はいらないし、通帳もいらないね。

再度、妹は役場に行った。
「医療費の限度額設定をしたい」と。
前回は「医療費の限度額設定」と「介護保険」を頼んだからごちゃ混ぜになったのね。
そしてもらってきたのが「後期高齢者医療限度額適用・標準負担額減額認定証」だ。

あれ?これって、この前もらったのと何か違うのかな?
ふたつ並べて見比べる。
違う所を見つけた!
交付年月日だ。あとは全く同じ。

「何度も行ってもらって悪いけど、同じものだよね。」
妹は苦笑いしながら
「もう失くしてまた申請に来たと思われたかな」。

いやいや、役場の人はそんなこといちいち思わないって!!

こんな風で、未知の領域に入るのはなかなか大変。
まぁ、95歳になるまでこういう手続きが必要なかったことが奇跡でしょう!

介護保険


介護保険証をもらってから1週間くらい経った頃、「認定」してくださる方がやって来た。
母と面談をして、等級の判断をするのだろう。
たくさん質問をされて、ベッドに横になった母は張り切って答えている。

終わってからその方が言った。
「一か月ほどしたら保険証が送られて来ますから。」

「あのぉ…、保険証はもらっているのですが。」
妹が役場でもらってきた介護保険証を見せた。

その方は、さっと保険証を開いて
「ここが空欄ですよね。記入されたものが送ってきますよ。」
教えてくださった

ああ、なるほど!
納得だ。

たったこれだけのことだが、初めてのことは大変に感じる。
何度も言うようだが、今まで必要なかったことが奇跡!!

緩和ケアの訪問診療


緩和ケアを受けられるのはホスピスしかないと思っていた。
それが、家で受けられるなんて知らなかった
全ての病院が行っているわけではないだろうから、なおさら感激。

心細く、不安だったことがスッキリと晴れた。
週に1回医師と看護師が来てくださる。
必要なケアだけでなく、話もよく聞いてくださる。
それもケアなんだな。
身体も心も診てもらえるなんて、ありがたい。
理想の生活。

母も私たちもみんな安心。
安心を得てから母が苦しむことがなくなった。
苦しいときのとっておきの薬はまだ使っていない。

おかげさまで、母も私たちも心が楽な毎日を送れている。
好きなものを食べ、天気が良ければ近場のドライブに出かける。
酸素を吸いながら、庭を眺める。
テレビを見たり、見舞客とおしゃべりしたり。
入浴だってトイレだって一人でできる。
それが母のプライドを保っている。
もちろん、見守りは必要だけど。

「急変することがある」と釘を刺されてはいるけど。
とにかく、気持ちよく人生の最後を過ごしてもらうために
わからないことは教えてもらい、人を頼り、使える制度は使おう

この生活がどのくらい続くのかわからないけど、
今を楽しもうと思っている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?