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母のそばで♡苦しい時にすることは?篇

母と暮らすようになって5か月。
肺ガンの末期と言われ、腫瘍マーカーが激増している割には元気。
1週間に1度の訪問診療を楽しみに待っている。

食欲も出てきたし、景色を楽しむ余裕もある。
たまには自分の家に帰り、片付けもする。
酸素濃縮器で酸素を吸っている他は全く問題ないように見える。

しかし時々は苦しいことがある。
そんな時にすることは?


血圧を計る


私の家で初めて苦しんだ夜。
母の前では平静をよそおい、病院に電話。

看護師さんがとっても優しい声で
「血圧計れますか?」
と聞いた。血圧計は電源をつないでいる。

電話を切って血圧を計る。
いつも通りの数値だ。

ここで私はひとつ学んだ。
具合が悪いときは血圧を計る!

血圧で異常の有る無しをみるんだな。
血圧を計るということは、身体に触れるし声もかける。
そういうこともきっと良いのだ。

そして、看護師さんの優しくゆっくりな口調で私が救われた。
不安な時、優しくゆっくり話すことが大事なことを学ぶ。

その後、母は落ち着いていった。
2度目の電話をすることもなく、無事に夜が明けた。

手足をさわる


2度目に苦しんだときは、訪問看護に電話した。
必要とあれば、看護師さんが来てくれる。
その判断次第で医者も来てくれることになっている。

さて、まずは血圧を計った。いつも通りだ。
看護師さんが聞いた。
「手足は冷たいですか?」

苦しいときは手を握るから、手が温かいのはわかる。
足を触ってみた。温かい。

ここでまた一つ学んだ。
手足が温かいなら大丈夫!

この時は強いお薬をもらっていたから、飲んでもらった。
そして足の裏を中心にマッサージ。

そのうちに落ち着いて母は眠った。

あーーー良かった♡

足の裏のこと


父を病院で看取った時のことを思いだした。
みんなで交代に付き添ったものだ。
コロナはなかったから病室に出入りできて良かった。

父は「足をもんで」とよく言った。
さわってみると足の裏が硬い。
もみほぐすと「気持ち良い」と満足そうだった。

足がほぐれて、違う所をもんでいると「足をもんで」と言う。
また足の裏が硬くなっている。
さっきほぐしたばかりなのに。

この繰り返しだった。
足の裏は第二の心臓というから、ここが硬いのは良くない。

母の足も心がけてもんでみよう。

深呼吸をする


訪問診療や訪問看護の時に、苦しかった時の報告をする。
看護師さんからのアドバイス。

胸の上方に手を当てて「吸ってーーー」と声をかける。
「吐いてーーー」の時に胸の上方をやさしく押す。

ゆっくりと一緒に「吸ってーーー」「吐いてーーー」を繰り返すのだ。

昨晩はこれで落ち着いた。
というか、薬が効いてきたのだけど。
薬が効くまで何をするかが問題。

落ち着いたので、横に座って見守る。
息を吐くタイミングで「トン!」と肩をやさしくたたく。
リズミカルにね。「トンーートンーートンーーー」。

子どもが赤ちゃんだったころ、こうやって寝かしつけたことを思いだす。

母も苦しかったことがウソのように眠ってしまった。

あーーー良かった♡

酸素濃度のコントロール


酸素濃度はふだん1.0だ。
苦しいと訴えたらすぐに1.5に上げる。
落ち着いたら1.0に戻す。

母が「苦しい」「痛い」と訴えたら私は忙しい。

①酸素濃度を1.5に上げる
②強いお薬を飲ませる(誤嚥に気をつけて)
③血圧、血中酸素濃度、体温を計る
④手足のぬくもりを確認する
⑤深呼吸を促す
⑥常に声をかける。ゆっくり「大丈夫だよーーー」と言う
⑦タイミングを見て訪問看護に電話する
⑧脈をみる

心が苦しい時は


数日前のこと。
母はトイレに起きたあと、ベッドに腰かけて寝ていない様子。
鼻をすすっている。あれ、泣いているのかな?
声をかけてみた。

「いつまでこうやって迷惑をかけるのかな、と思って」
すごく悲しそうな声だ。

やれやれ、始まったぞ。
苦しくなるのは身体だけではない。

これが昼間なら「あーら、贅沢な悩みね!!呼吸が楽になったからいろいろ考えるんだね」と笑うことにしている。
しかし夜中はそれではいけない気がする。
手を取ってしみじみとした感じで語る。

今までさんざん人のために頑張ってきたのだから、もう甘えて良いこと。
ありがとう、と思っていたら良いこと。
「ごめんね」というのは違う気がすること。

私は自分の思いをゆっくり語る。
今までも数えきれないくらい同じ会話をしてきたけどね。

母は幼い子どものように「うん、うん」とうなずいて聞いている。
そのうちウトウトし始め、眠った。

それにしても…。
私の特技は「いつでもどこでも眠れること」だ。
母の動きが気になって起きた時も、「大丈夫」と確認したらすぐ眠る。
しかも眠りが深い(と思う)。

神経質だったり、不眠症の人に付き添いはキビシイだろうなあ。
良かったーーー♡




最後まで読んでいただき、ありがとうございました♡




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