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産後うつの診断のきっかけは?自覚症状と診断基準について

産後うつの症状は、お母さんによって様々です。その程度も千差万別、罹患期間もバラバラです。産後うつの症状はうつ病と同じ症状が出現します。

うつ病と決定的に違うのは、赤ちゃんのお世話は待った無しでやってくる、ということです。不安定な状態での育児は時としてその症状に拍車をかけることもあります。

自覚できるかどうかは産後うつからの回復の大きなカギになります。

今回はもう少し具体的な産後うつの症状とその自覚のために必要なこと、そのための心の準備について私の体験を通して感じたことを書いていこうと思います。

1)産後うつの具体的な症状は?

「イライラする」
「憂鬱になる」
「疲れやすい」
「涙が出る」
「不安定な気持ちになる」
「愛情を感じられない」
「意欲が沸かない」
「子供が泣いてても何もできない」
「罪悪感」
「無力感」
「子供がかわいいと思えない」
「自分はダメな母親だ」

列挙してみましたが、この症状についても人によって表現が違うと思います。

私の場合は、涙が出て、不安で不安で仕方のない日が続き、「こんな母親でいいんだろうか?」という自問自答することを繰り返し、また自己嫌悪に陥って・・・と負のスパイラルにはまり込んでいました。

自分が想像していた育児とは全くかけ離れた現実に直面して、「ほかの人はちゃんとできてるのに、私はどうしてできないの?」と自分を攻め続ける日々でした。

2)自覚するにはどうすればいい?

自分がおかしいと気づくには時間がかかります。私もこれを「うつ」として認識するまでにひどく時間がかかりました。

やはり周りの人、それも専門家かかなり身近な人に「元気ないよね、大丈夫?」「なんかいつもと違うよね?」と言われたら危険信号だと認識する必要があります。

私の場合は出産後訪ねてきてくれて、フォローアップしてくれていた保健師さんがエジンバラ産後うつ質問票で問診してくれたのがきっかけになっています。

ただ、このエジンバラ産後うつ質問票も、ついつい見栄を張ってしまう人もいるので、そのあたりは周囲にきっぱりと「いや、あなた、調子悪いと思う」と言ってくれる人がいると発見が早くなります。

もし「ひょっとして」と思っているのであれば、ご自身でやってみてくださいね。点数が高い日々が続くのであれば、医療機関にすぐ相談されることをお勧めします。

3)妊娠中の心の準備

10人に1人は産後うつにかかる、と統計の数値は出ています。これは決して少ない数ではないということを頭に入れておいてください。

出産して1年以内の女性の死亡原因の第一位は自殺なんです。まだまだお母さんから離れられない赤ちゃんを残して、死を選ばざるを得ない状況に追い込まれる環境がありえる、と認識しておくことはとても大切です。

初産であれば産後の生活は未知の世界です。何が起こるかわかりません。私も自分が診断されるまで産後うつという言葉も知らなかったくらいです。そしてご自身の周りにきちんと話を聞いてくれる味方をたくさん確保しておいてください。

「わかるよ」「つらかったね」「頑張ってるよ」と労ってくれる人が産後のお母さんには必要です。

産後は特に赤ちゃんに注目が行ってしまい、お母さんは蔑ろにされがち。お母さんこそいたわってもらうべき存在であることを出産前から理解してもらえるのが理想です。

まとめ

産後うつは、病気です。2週間以上、もし上記にあげたような症状が続いているのであれば、専門家にご相談することをおすすめします。

これはお母さんを守ることももちろんですが、授かった赤ちゃんを、そして家族を守るために必要なことです。私は一年以上かけて治療をしましたが、きちんと治療したおかげで今は育児を楽しんでいます。

産後うつやつわりを「甘え」などの精神論で片づけようとする人もいますが、それだけで乗り越えられない人もたくさんいることを覚えておいてほしいな、と思います。

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