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大河ドラマ/実朝メルヘン/

/大海(おおうみ)の

磯もとどろに寄する波

割れて砕けて裂けてる散るかも/

波が岩にぶつかって水しぶきをあげている様子の表現が実に見事な実朝の歌である。

毎週、NHK大河ドラマ(鎌倉殿の13人)を見ている。

北条義時を演ずる小栗旬の好演もあって、とても楽しい。

源頼朝や義経が亡くなり、今、息子の鎌倉幕府3代将軍

源実朝の時代にドラマが進行している。

実朝といえば、金槐和歌集の歌人である。   

3代将軍だから、当然高度な政治家でなければならない。

3代将軍になったのは、たしか16歳の時だったと思う。

とても、将軍職がつとまるとは思えない。

父の頼朝みたいな叩き上げの政治家ではない。

北条時政執権の操り人形としての3代将軍をつとめなければならない。

今、ドラマでは実朝が、政治家としての無能さのために

翻弄されている最中である。

あれほど繊細な和歌を詠んでいるのだから、どのように対処するのだろうかと思っていた。

実朝の歌には、母、政子を恨んでいる歌がある。

実朝を3代将軍にするために、政子は深く関わっている。

決して、冷たい母親であったとは思われない。

しかし、実朝の歌では深く母親を恨んでいる感があった。

結局のところ、自分の政治的無能さを母に対する恨みに

転じているように見えてしかたがない。

そういったことを表現する才能は非常に優れているが、凄腕な

政治家の前では、割れて、砕けて、裂けて散った感がある。


    



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