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何を考えてるか分からない君。

5/10 7:30

いつもの様に歩いている乃木坂高校への道。
朝はまだ少し肌寒さを感じてしまう。

僕、早川〇〇は折っていた袖を戻して学校へ、、、いやその前に行くところが1つ。

彼女と待ち合わせしている場所だ。


あやめ「あ〜〇〇おはよ〜♪」

彼女の筒井あやめ。

高校1年生の時、つまり去年に僕から告白して付き合えることになった。

あやめの持つミステリアスな雰囲気に惹かれてしまった事が原因だ。

しかし、あやめはミステリアス過ぎる所があって、、、


〇〇「おっ。今日はポニーテールなんだ。」

あやめ「うん!
    いつもは下ろしてるけど気分転換にね〜。」

〇〇「めっちゃ似合ってる!可愛いよ。」

あやめ「、、、、、」

〇〇「あやめ?」

僕の顔をじーっと、何も言わずに見つめて30秒。
週に2〜3回はするこの動作。

〇〇「、、、どうかした?」

あやめ「行こっか、、、///」

何事もなかったかの様に学校へ行こうとするあやめ。
一体なんだったんだ、、、


乃木坂高校。

レイ「2人ともおはよ〜♪」

この子は清宮レイ。
あやめの親友だという事で僕も話す様になった。

とにかく元気っ子で、甘え上手。

あやめ「レイちゃんおはよ〜!」
〇〇「おはよ清宮。」

レイ「ねぇねぇ〇〇!今日の課題見せて!」

僕の隣の席に座り、早速甘えてくる清宮。

距離もなかなかの近さであり、肩が触れ合っている。

あやめ「むっ、、、」

〇〇「えー、、、やだよ、、、」

清宮「なんでよー!いいじゃ〜ん!!」ユサユサ

僕の肩をがっしりと掴んで揺さぶる清宮。
力が強くて結構痛い。

あやめ「、、、レイちゃん!」

清宮、〇〇「「??」」

突然あやめが大きな声を上げた。

あやめ「課題なら私のやつ見せてあげるから!
    こっちおいで!!」

清宮「ほんと!やったぁ〜♪」

清宮は課題が写せることが嬉しくて気付いてないが、あやめの顔が少し怒っている様に見えた、、、

なんか嫌なことでもあったのかな?


授業中。

〇〇「ふわぁ、、、」

今日も今日とて退屈な授業だ。

どこかで聞いたことのある内容だし、教師もあからさまにやる気がない。

僕はふとあやめの方を見ると、ちょうど目が合った。

僕らは少し微笑みを交わしてまた目線を直す、、、しかし。

あやめ「、、、、、、よしっ。」

あやめがスマホの画面をこちらに向けてきた。

先生は板書中だから気づいてないけど。

〇〇「なになに、、、?」

〇〇「、、、なんだよ///」

あやめ「、、、、、、チュッ。」

スマホの画面を見せながら投げキッスをするあやめ。

最近、あやめからこんな感じのラブコールを受ける事がめちゃくちゃ多くなった。

前まではマイペースな性格から何を考えているか分からなかった。

だけど今は別の意味であやめの考えてる事がわからない、、、


レイ(あやめちゃん頑張ってるな〜♪
   私に"あの事"を相談してから攻め攻めで
   で〇〇が可哀想になる、、、笑。)


1ヶ月前、、、

こんにちは〜。筒井あやめって言います!

私には付き合って1年になる彼氏がいるんですよ。

それでですね、、、

〇〇は私によく"かわいい"とか"好きだよ"とか言ってくれるんですよ。

でも私は恥ずかしくて、、、その、、、///

〇〇に好きって口から言えた事がなくて、、、///

いつも顔を見つめるだけで終わっちゃうんです、、、

もちろん〇〇のことは大好きです!

マイペースな私のことも受け入れてくれるし、私が手を繋ぎたいのを察して〇〇から繋いでくれるし、一緒に喫茶店にも行ってくれるし、、、

だから何とかしようと親友のレイちゃんに相談しました。


レイ「〇〇に愛を伝えたい?」

あやめ「うん、、、」

レイ「普通に言えばいいんじゃない?
   好きだよ〜って!」

あやめ「それが恥ずかしいから出来ないの!」

レイ「う〜ん、レイは好きな人には好きって
   言えるからな〜。」

あやめ「、、、私のことは?」

レイ「大好き!」

あやめ「ありがと〜、、、ってそうじゃなくて!」

レイ「あやめちゃんから振ってきたくせに笑。
   とりあえず日頃からイチャイチャしてみたら?」

あやめ「、、、なんで?」

レイ「イチャイチャして、好きが溢れた時に
   ポロって言っちゃう作戦!」

あやめ「好きが溢れるって、、、?」

レイ「それはイチャイチャしてたら分かるよ!
   じゃあ明日から頑張って!」


その作戦を立ててから私は〇〇といっぱいイチャイチャしようって決めました!

例えば学校の帰り道、、、、

あやめ「ねぇ〇〇〜。」

〇〇「ん?」

あやめ「今度のお休みにさ!
    一緒に喫茶店に行って欲しくて、、、」

私は〇〇に喫茶店デートを申し込みました。

〇〇「いいね〜!この前行ったところも
   雰囲気良かったし!」

〇〇はいつも快諾してくれるから本当に好き、、、

あっ!好きが溢れるってこういうことかな、、、?

〇〇「あやめが選ぶ場所はいつも最高だから!
   今度行くとこのも楽しみ、、、あっ!」

何かに気づいた様に声をあげる〇〇。
どうしたんだろ、、、?

あやめ「〇〇?」

〇〇「ごめん、あやめに車道側歩かせてた。
   こっちおいで。」

優しく肩を抱いて〇〇が車道側に変わる。

あやめ「、、、好き。」

〇〇「えっ!」

あやめ「あっ、、、///」

出た。
ほんとに好きが溢れちゃった、、、///

〇〇「あははっ!顔赤くなってるよ?」プニプニ

あやめ「ひゃめて、、、///」

私のほっぺたをぷにぷにする〇〇。
初めて好きって言えたけど、、、なんかいいなぁ、、、///

よしっ!
これからもっと好きを伝えられる様にイチャイチャしよ〜♪


そうして時は戻り、5/10の7:40ごろ。

あやめ「あっ〜〇〇おはよ〜♪」

制服に身を包んだ〇〇がやってきました。
やっぱり何度見てもかっこいいな、、、///

〇〇「おっ。今日はポニーテールなんだ。」

こうやっていっつも私の変化に気づいてくれるんだよな〜。

あやめ「うん!
    いつもは下ろしてるけど気分転換にね〜。」

〇〇「めっちゃ似合ってる!可愛いよ。」

、、、、、、あぶない。

最近、〇〇への好きが溢れ過ぎて"好き"を言い過ぎてる気がしてます。

なのでここ数日、イチャイチャはするけど好きをセーブする活動をしています。

今も〇〇の顔を見つめるだけで好きが溢れそうですが、何とか耐えています。

あやめ「行こっか、、、///」

これからも適度に好きを伝えてこ〜♪

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