「詩羽のいる街」
「詩羽のいる街」
山本弘
“彼女の名前は詩羽。他人に親切にするのが仕事、と言う彼女に連れ出された街で僕が見た光景。詩羽とかかわる人々や街が、次々と笑顔で繋がっていく。まるで魔法のようにー幸せを創造する詩羽を巡る奇跡と感動の物語。”
二代目水曜日のカンパネラとは関係ありません。
山本弘らしいアニメや漫画のオマージュに溢れた小ネタが満載で、読後感も爽やかなオムニバス形式の物語です。
正直ヒロインの詩羽が金銭を介することなく物々交換のように人々に溶け込んでいる様は、これ冴えない男性だったら成り立たないよなぁなんて思ってしまいました(^◇^;)
ただ、そのあたりの特別感もちゃんと物語を動かすテコになっていたり、それを裏返した街に潜む“悪”との対決?があったりと一筋縄ではいかない感じがとても良かったです。
紹介されていた幸田露伴の「番茶会談」は生産に関わるものとして興味が湧いたので早速読んでみたいと思います。