嫌な思い出

僕は小中高とサッカーをしてきました。父がサッカーをしていたので特に理由もなくサッカーを始めていました。僕が幼稚園児の頃、父のサッカーチームにつれていかれたらしくその時初めてボールを蹴ったそうです。

父は左利きの選手で大学を卒業した後にプロの選手を目指すために大学でずっとプレーしたり、卒業後ブラジルにサッカー留学したりとサッカーへの情熱はものすごい人です。ストイックな点において僕は彼を尊敬していますし、少なからずその側面を受け取ったとも思っています。初めて僕がボールを蹴ったのが左足で次に蹴ったのもその次に蹴ったのも左足で、左利きが受け継がれたことが分かり、父はとても嬉しかったそうです。

小さい頃から良く父とサッカーした記憶があります。

残念ながらプロを諦めて就職した父ですが、勤務先が転勤のある会社だったので香川県に住んでいた僕は小学2年生に上がった時に岡山県に引っ越すことになりました。転校先の学校のスポーツ少年団(以下スポ少)は広いグラウンドを持っており小2ながら良いグラウンドで練習をすることになりました。

初めて練習に参加する時、父も見学をしに来たのですがクラブチームではなく地域の人が主催のスポ少なので監督の人数が少なかったので、僕が入団すると同時に父がスポ少の監督になると言いました。(今となっては微笑ましいが当時は本気で嫌だった。)

父は僕の学年を担当することになり、新しいチームメイトと5年間和気あいあいと練習をしました。もちろんそれ以外でも放課後ゲームしたり公園でサッカーしたりと、小学生らしく意味わからんぐらい仲は良かったです。形式的でなくカオスな人間関係はやっぱり今思い返すとすごく綺麗ですね。というわけで父が監督として僕の学年をメキメキ育ててくれました。

強いチームではありませんでしたが、本当に仲は良かったです。誰が誰を嫌いだとか、誰かが悪口を言うとか、そういう空気感の一切ないチームでした。彼らと小学生の間を過ごせて今でも嬉しいと思います。ありがとうね。

そして、中学生になるタイミングで父の転勤が決まり、香川県に戻ることなりました。小学生の僕からすると死ぬほど仲のいい友達と別れるのはとても辛かったです。わんわん泣いた記憶があります。

そのまま僕は中学に上がり部活を始めるのですが、暇ができた時にはたまに岡山に戻って友達と遊んでいました。当時のチームメイトの中学は3つの小学校の生徒が集まる所でサッカー部のレギュラー争いは熾烈でした。当時から体格が良かったですKくんはその中でも活躍していたそうです。僕の知らない所で色々あるようでした。

半年ぶりぐらいに見る公園に懐かしく思いつつ、当時のチームメイトと遊ぶことになりました。そこでKくんと部活の話になって今誰がどんな風に活躍しているのかを聞いていました。そこで僕はAくんはどんな感じかを聞くと「A？あいつザコやで」と、Kくん。小学生の頃から目立ったプレーはないものの安定感のあるAくんでしたが新しい環境で揉まれてるんだなと思いました。だけどそれ以上に驚いたのはKくんの態度で小学生の時は絶対にこんなこと言わなかったし、少なくとも父は(監督として)こんな事を言わせなかっただろうなと思います。ただ、現場を知らない僕は何も言えずに納得だけしてしまいました。当時のチームメイトはもう当時のチームメイトではなくなって、僕が岡山にいない間に距離が生まれて、彼らはもう自分とは違うフィールドにいるんだと強く思いました。このことに納得しました。

すごく辛かったです。今でもたまに思い出して悲しくなります。Aくんがあんなに簡単に否定されるポジションにいることも、簡単に否定してしまうKくんも、それらが僕の関与するべきで無い場所で起こっていることも。

今でもチームメイトの何人かとは連絡を取ります。同窓会で彼らがどんな人間になっているのか本当に楽しみです。

読んでくれてありがとうございました。