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旧友との30年ぶりの再会に思う

アメリカから日本に一時里帰りしている友人との待ち合わせ場所は、雪を被った富士山が真っ正面に見える駅の駐車場。

運転席からとびっきりの笑顔で私に合図を送る友人。彼の髪はすっかりシルバーグレーになったけど、屈託のないいたずら少年のような笑い顔は昔とちっとも変わっていない。

今回の同窓会の旅に参加するもう一人の友人と私の女二人は、そのアメリカ在住の友人との再会を心待ちにしていた。彼が元気なのはメールのやり取りで確認済みだったけど、いったいどんな感じのおとなになったんだろうと。なんたって私たち三人揃うのは実に30年ぶりなのだから。

有難いことに、今回泊まる小さい宿の客は私たちだけ。まるで私たちのためにお天道様が貸し切りにしてくれたようだ。

これまでの人生について、お互い『答え合わせ』と称して話す。それぞれ山あり谷あり。でも、みんな元気に再会出来たことはこの上ない幸せだねって。

私たち女二人の一番の関心事は、二十歳からずっと30年間アメリカで生きてきた友人のこと。

彼の苦労はそれは大変なものだったと思う。
学生結婚、働きながら大学院で学び、専門職に就き、家族を養い、子ども達が成人するまでずっと休む暇もなく。ましてや言葉も文化も違う国で生きるのは並大抵なことではなかったはずだ。

そんな苦労人なのに、彼の笑顔と雰囲気は私たちが初めて出逢った二十歳の頃とちっとも変わってないのだ。もちろん顔のしわはそれなりにあるけれど。

正直びっくりよ〜。その秘訣は?
よくよく聞いてみると、彼はこう言う。

「どんなに大変な時でも腐らないように意識してきた。」

宿で迎えた寒い朝早くから半袖短パンで颯爽とジョギングに出かける彼。昼は昼で私たち女二人には外を一緒に歩こうと誘う。

「俺はさー、いろいろやりたいことあってじっとしていられないんだよ〜。それに飯を美味しく食べるためにも、動いてお腹空かしておきたいからね〜」と目尻を下げっぱなしで言う。

そうそう、この清々しい感じ‼︎ 
彼は昔も今もアスリートでよく体を動かしている。彼自身のあふれんばかりのエネルギーを上手く循環させているよなあ。そう、溜め込まない。
留まることなく流れている清らかな水のように。

実にシンプルなこと。私はわかっていたようで、すっかり忘れてしまっていたな。今でもまるで少年のような健やかな友人の姿を目の前にして、私も少しでもそうありたいと素直に思う。

頭であれこれ考え過ぎず、まずは歩いてみよう。
動き出せば自然に流れていくもの。

今回三人で過ごしたのは八ヶ岳の麓。冬の澄んだ空気、森の匂い、落ち葉を踏む音、日が沈むにつれ冷たく頬をよぎる風。そういえば昔私たちが一緒に過ごしたアメリカ中西部の秋景色とちょっと似てるような。まるで私たちの心のアルバムの1ページに瞬時に戻ったよう。不思議だな。。30年の月日の長さを全く感じない。

人とのご縁とは不思議なもの。離れるのも、また出逢うのも。良し悪しではなく、全て意味があることなんだと最近つくづく感じる。そう、何があっても日々私たちはいろんな人とのご縁の巡り合わせで生かされているのだから。

長い月日を経てまた出逢ってくれた友たち、本当にありがとう‼︎
お互い元気で、また必ず逢おう‼︎


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