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マクラメ屋さんと3人組みのおじいちゃん

マクラメとは?

皆さんは『 マクラメ 』という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

マクラメとは、糸やロープを結び目で編み込んで装飾品や実用品を作る手芸技法のことを言います。

マクラメは、道具を使わず手でヒモを結んでいくだけで様々な模様をつくる技法です。
アラビア語の「ムクラム」(格子編)に語源があり、「交差して結ぶ」という意味があります。大昔の「ひもを結ぶ」という知恵が、長い時間をかけ、沢山の経験がこの技術の上に積み重ねられてきました。
日本でのマクラメの歴史も古く、正倉院御物や鎧などに残されています。
近年ではミサンガやアクセサリー、インテリア雑貨などでも使用されたりしています。

日本マクラメ普及協会、メルヘンアート

『 マクラメ 』と『 石 』との関わり言えば、中~大粒の天然石と相性が良く、ハンドメイドで天然石の周りを丁寧に紐で編まれたマクラメアクセサリーを百貨店の催事や石フリマなどで近年見かける頻度が多くなってきていると感じています。

インターネットにおけるキーワード検索の推移をチェックする事ができるグーグルトレンドでも明らかに『マクラメ』は右肩上がりとなっています。

マクラメの習得には、日本マクラメ普及協会なる組織の認定講座や、マクラメ作家のワークショップや教室の他、今ではユーキャンの通信講座などでも学ぶことができます。
中には、本場の東南アジアや南米で技術を習得された強者の方もいると思います。

好きが高じて、のめり込んでいけば、ワークショップなどを通じて仲間(編み友と言うらしいです)の繋がりや、世界も広がってくるものです。

スキル向上に伴い、紡ぎ出す作品の質が上がってくれば、作品を皆に伝えたい! 世に問うてみたい! お商売になればいいな! フリマに出店してみたい! というような思いが生まれるのも自然な流れと思います。

そして、いざ!マクラメでフリマ出店へ
ブースを出してお客様と直に接する中で、想定外も含めた色んな出来事が起こります。

お客様の皆が皆、1点のマクラメ作品制作に費やされた時間、デザイン・技術の素晴らしさといった背景を見通せる方ばかりではありません。

フリマ出店においては、そういったお客様も相手にしないといけない事ももちろんあります。

マクラメ屋さんと3人組みのおじいちゃんの話

これは石系のフリマで偶然隣の席で出店されていた天然石マクラメ作家さんから聞いたお話です。

定年退職された3人組のおじいちゃんがフリマのブースにやってきたそうです。

3人の内の1人のおじいちゃんが定年後、マクラメ製作を趣味で始めたため、興味があり、ブースの天然石マクラメアクセサリー作品に立ち止まり見ていたようです。購入しようかどうか随分迷われていました。

その時、他の2人のおじいちゃんが天然石マクラメアクセサリー作品の価格にをついて尋ねてきたといいます。

『 何故、石と紐だけのアクセサリーがこんなに高くなるのか。 』

作家さんの回答を待たず、マクラメを始めたばかりのおじいちゃんが他の2人に話しはじめました。

『 いかに1点の製作に時間がかかるか。』
『 いかに丁寧に作り込まれているか。 』
『 いかに技法が複雑か。』
『これだけの石を集めるがいかに難しいか。』

それを聞いた2人もマクラメ作品の背景に思いを巡らすことができたと思います。

結果、迷われていたおじいちゃんも『一期一会やし、君の作品気に入ったから買うわ!』と気に入ったデザインの天然石マクラメアクセサリーを満足げに買っていかれたそうです。

マクラメ製作やフリマ販売は根気がいることと思いますが、こういった顧客との会話やストーリーに直に出会えるのは本当に素敵な事だと思います。

それでは、本日はここまで。
皆さまの宝石ライフが色鮮やかでありますように。


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