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銀河間トラベラー「アプ星人」との170時間 兄弟愛から地球を訪れるアプ星人との出会い

彼ら〈外国人〉は巨大組織のスパイに違いない⁉
主人公の疑いは、この本の中版まで続きます。宇宙人と言われても、中々信じられないものですよね。

「あの男たちは、どこの国の人間だと思う?」の主人公の問いに、キロスはこう答えます。
「あの男たちは、どこの国の人でもないんです。セニョール。宇宙人なんです。彼らが言ったとおりなんです。
向こうのチャンパラ山やミルアコーチャ山周辺では、牛飼いや農民がしょっちゅう目撃しているんです。つまり、こんなことは、ペテンでもなければ、目新しいことでもないんです、セニョール。」彼はそのように熱心に訴えました。
「どうしたんだ、キロス?本当に奴らが、宇宙人だと信じてているのか?何を言っているのか、自分でもわかっているのか?」と主人公は強く問いただします。
「許してください、セニョール。もう何も言いません。でもお願いです、彼らのことを、誰にも話さないでください。いい人たちなんです。彼らのことを通報してしまっては気の毒です。」

キロスとの別れ際、「全ては他者のために」と、いう文句が思い出されました。
正体不明の人物たちが立ち去る前に口にした言葉です。なんたか滑稽に感じて、高笑いしてしまいます。
私は、思いがけないあの出会いについてじっくりと思い返してみました。そして、最後にはあのよそ者たちは何か重大な事柄を探ろうとしているのだ、との確信に至るのです。
彼らは、どこかの巨大組織のために働いているに違いありません。その組織は、円盤型のフライマシンの秘密を握っていて、キロスを仲間に引き込んだのでしょう。だからこそ、キロスは彼らが宇宙人だと言い張り、その疑いを晴らそうとしているのです。
彼らが地球人であれ宇宙人であれ、その存在は不可解でした。こんな話を誰かにすれば、馬鹿にされるだけです。とりあえず、この出来事については、誰にも話さないでおこうと決心しました。
管理棟に戻ると、運転技術者である電気技師がショートの原因について報告してきました。犯人は、チンボテの製鉄所近くで、高圧電線に止まろうとしていた一羽のコンドルだったと…。

以上が主人公とアプ星人たちとの初めての出会いのシーンです。
この主人公の反応は、普通の人達が辿る普通で、当たり前のものだと思います。
誰も信じてくれないし、取り合わないに決まってます。
もし、自分がアプ星人と出くわしたら、どう感じ、どう反応し、どう行動するかな?と考えます。
私なら是非、色々と話してみたいし、できれば一緒に旅に動向したいと思うかな…

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