読書エッセイ① 童話『いやいやえん』は、成長しないのが魅力かも
家族共通の本箱をのぞいてみたのは、何年ぶりだろうか。居間の隅にある本箱を、いつも見るとは無しに見ていたが、何年も開けることはなかった。
パンパンに詰まっていた本も、いつの間にか、母が整理したようで、今はストレスなく取り出せるくらいの量になっている。
その中から手にとったのは、中川李枝子さんの『いやいやえん』。ちゅーりっぷ保育園に通う4歳のしげるくんの日常が、ファンタジーの要素を織り交ぜて描かれている。
保育園の約束事をすぐに忘れてしまう。しかられると人のせいにする。元気