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若い男の人にパンツ脱がされる

ガンが骨転移したので
入院をして放射線を
かけることになった時の話です

放射線治療をはじめる前に
ガン細胞に正確にあてるために
皮膚に直接
油性のマジックでしるしをつけます

その時
若い男の放射線技士に
パンツ脱がされました

悪性リンパ腫ホジキン病
血液のガンが
右の大腿骨に転移

右のお尻のあたりなので
若い男にパンツ脱がされました

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ガンの骨転移
この痛み鈍痛の極み

治療を先伸ばしして
ほおっておくと
のたうちまわることになります

透明なガラスが張り付いた
膝ぐらいの高さの台に
仰向けになり寝たところ

若い男が私のパンツを脱がしました

私の丸秘に白いガーゼのようなものを
ふぁさーとかけました

マジックのしるしつけは
ちょこちょこではなく
かなり長い線やら
四角
点点点などなどです

マジックはマッキーでした

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40才の私
パンツ脱がしてくれた
若い男の人は25歳くらい

若にヌガサレぱんつ

なんとも言えぬこの複雑なきもち

かなり気持ちのいい
ものではありませんでした

マジックが終わると
若パンツは

お風呂入る時
気をつけてください

マジックのしるしを
消さないように
と言われたので

はい わかりました
とパンツ若に言って病室に戻りました 

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私が入院したのは3階の

放射線科 耳鼻咽喉科
口腔外科の病練

県立ガンセンターの朝は
6時になると

長い廊下の照明がパァーとついて
看護師さんたちが
検温、血圧、採血
などで病室をまわりはじめる


洗面所トイレに
患者の人たちが集まり
顔を洗い歯を磨き
髪にくしなどいれている

今日手術の人
痛い治療
長い入院生活
ガン宣告されたばかりの人

心穏やかなわけがなく
患者たちのため息が色濃く漂う中

若い男の看護師がハリキッテ登場

ピンク色の病衣を着た
白髪のおばあちゃんに

「鈴木さん今日から治療ですね
一緒に頑張りましょう」

廊下
病室に響きわたる
大きくはりきった声
ここは病院です

男看護師
場違いな光をはなっています

手術で
痛みや熱のあるような人は寝ています

3月の朝6時
カーテンなどは閉まっていて
まだ暗い

がんばろう

ガン患者うつ病の人に
言ってはいけない言葉
鉄則になってます

ガンセンターの看護師さんは
おはようございますを
めったにいいません


患者への気づかいだと思います


抗がん剤治療を
専門にやる病練に
何度も入院して
お世話になりましたが

一度も言われたことが
ありませんでした

身も心も疲れきったガン患者
死の恐怖 絶望
髪の毛が抜けるほどの
強烈薬を点滴した朝

おはようございます

を言う気力はない

14年ガン治療をやってますが
言われたのはほんの数回
私がかなり元気な時です

ちゃんと見てるんですね

看護師さん 患者をみる 仕事

ガンセンターではじめてみる

男看護師

掟破りの若い男の看護師
看護研修生なのだろうと思いました

女性ばかりの厳しい職業
男性がポツリ
その職業を選ぶ理由

かなりの熱い志しがあったのだろう
言ってはいけない鉄則も知ってるはず

患者さんのために
力になりたい

そんな思いが伝わってくるような
熱く燃える男看護師

しかし
かなりのカラマワリ

しかし
ネガティブエネルギーが
渦巻くこの病院に必要な光


朝食は7時30分ころ
ガンセンターの食事は言うまでもなく
塩分はしっかり抑えられています


ベッド向かいの肺がんの
おじいさん75才ぐらい

長谷川さんは入院した日のお昼

奥さんに
「今度くる時しょう油持ってきて」
と言ったところ
「あんた何を言ってるの」

おばさんパーマ
むっちり迫力係の
まだ若そうな奥さんが

塩辛い物ばかり食べてたから
こうなったんでしょ
あれだけ気をつけてって
言ったのに

お酒だってそうでしょ

これでもか
ここぞとばかりに

長谷川さんは
迫力係奥さんに
やりこめられ
たじたじに

何度も何度も入院した
俺っちは
このような光景を
たくさん見てきました

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2020 10月にコロナ疑いで
隔離されて入院した時の
がんセンターの朝ごはんです

コロナ疑いのお話はまた今度

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朝ごはんです

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やっぱり朝ごはんです

俺っちが退院するまで
奥さんに
やり込められた
長谷川さんの食事トレイに
醤油を見ることはありませんでした


塩気のない
がんセンターのご飯でも
気持ち悪い抗がん剤治療ではない
放射線治療なので
空きっ腹の朝ごはんは
最高においしかったです


放射線治療は
腰くらいの高さの
ガラス板が
張りついた台に乗ります

俺っちは右の腸骨に
放射線をあてました

仰向けになって
若にヌガサレぱんつされます

冷たいカチコチの台の上から
赤い細いレーザーが
マッキーマジックに
標準をあわせて照射する

あっというまに終わる治療

その時点では
ノーダメジの治療

最初の治療が終わって
病室にもどると

長谷川さんが
「どうだった」

俺っちは
「どうってことないですよ」

あれやこれやと
教えてあげて

🍥なるほど🍥と
肺がんの長谷川さん

病衣をめくって
胸のあたりの
でか四角でかクロス十字の

マッキーマジックの刻印を
「落書きされた」
と笑って
見せてくれた時

楽しい長谷川さんとの
入院生活のはじまりでした

長谷川さんには

脱がされパンツ若
かなり気持ちの
いいものではないは
教えませんでした

お昼頃に放射線をかけた所が
痛みだしたのは

夕方でした

徐々に痛みだす鈍痛

ナースコールを
押しました

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しずか〜に無表情の
看護師さんが来てくれて
「どこが痛いの?」

「右のコマネチが痛い」

俺っち

「痛み止の薬持ってくるね」

無表情の看護師

無表情の看護師さんが
薬を取りに行って
しばらくすると

にぎやかな
看護師さんが
走って入ってきて

はははー
ほたるさん

コマネチだって
はははー

と言って

大爆笑して

にぎやか看護師は
あっというまに
病室を
出ていったのです

痛み止の薬を
持って来たのではなく

コマネチ

ただそれだけを
言いに来たのです

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元気で歩けるので
ナースステーションから
一番離れてる部屋です

手術後の人は
ナースステーションから
一番近い部屋です

歩くのが大変な人は
トイレから一番近い部屋です

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近くはない
ナースステーションから

わざわざコマネチだけ
言いに
やってきたのかな

思いました

なぜと?

すぐに気づきました

コマネチではないのです

右の足のつけ根

右股関節なのです

コマネチは
お笑い芸人さんのネタ

いつの間にか
俺っちの中では

足のつけ根は
コマネチに
なっていたのでした

🍥😆🍥


つづく

2021 8 28
元気です

体を冷やさない

思考回数を減らす

考えるなら
ポジティブ

12年やり続けたら
元気になりました
✨😄✨

しかーし


2024 4月 風前の灯火

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