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先立つはお金。「稼ぐ→使う」に「貯める→増やす」の2ピースをはめてみる

首相は病気で辞任しても、国会議員である限り、食うには困らない。俺たちは病気や事故で仕事出来なくなったらかなりヤバイ。その瞬間から、俺たち崖っぷちに追い込まれる。
2004年、両眼とも中央視力喪失。仕事どころか生活にも支障を来す状況にいに。生きているだけで儲けものと気持ちを奮い立たせることも重要だったが、いうても先立つ「お金」のことが頭をよぎる。そうなると、もはや夜も寝られない負のスパイラル。
そのスパイラルからなんとか浮上できたのは、2000年から取り組んだ雑誌立ち上げのための「資産運用」の知識だった。その知識をマガジン作りではなく、俺の人生の羅針盤にしよう、なんて大げさなものではなく、とにかく自らの肉体で仕事ができなくとも、今ある手元の資金と、お金の知恵で眼が不自由でも、面白く生きてみようと気持ちの切り替えた。
その当時、実際にいくら預貯金があったのか、正確には覚えていない。が、大学3年でプロのカメラマンとなり、30代、40代を人並み外れた体力で365日働き続ければ、遊ぶ暇もなく、お金は貯まっていたはず。といってもすでに会社倒産を経験、2軒目の自宅も購入していたから、実際には600万円ぐらいだったか。教員として働くかみさんの預貯金を合わせれば世帯で1000万円ちょいというところだろう。ざっくり言えば当時の世代別預貯金額の中央値ぐらいか。
努めた会社の倒産騒ぎの時、かみさんのお金にも手を付けていたので、俺の信用度はゼロどころかマイナス。まず自分の手元の資金でぼちぼちと資産運用を開始。といっても株式の売買などと言うとかみさん一気に怒髪天なので、この段階ではナイショでの運用開始。それが出来たのも、

・種銭を貯めていた

ことだ。もちろん月1万円をひねり出して資産運用を始めることはできる。が、やはりまとまったお金、まずは100万円を目標に貯めて、それを種銭に「資産のポートフォーリオ」の入れ物を作るといい。例えば以下の通り。まずはすべてインデックス型の投資信託で組めば簡単明快。これを入れ物にコツコツと後述するつみたて購入していくこと。

・現預金 10万円
・国内株式 20万円
・国内債券 20万円
・海外株式 20万円
・海外債券 20万円
・その他 10万円

思い返せば、俺、預貯金好きだった。とくに郵便局の定額貯金が当日としては利率もよく、10万円でもまとまったお金が入ると定額貯金を組んだ。いまは見る影もないが、当時2~4%の複利で運用できた記憶がある。
で、実際の話しである。若い世代ならばこんな考え方もある。

・海外旅行より預貯金

海外に行けば20万、30万円はあっという間。これ1回我慢してコツコツ貯める。海外なんぞ60代でなんぼでも行ける。うちのかみさんがそう。コロナ前まで年5回以上海外行っていた。ま、これも生きていればだが(^_^; コロナ渦の今こそ、旅行用に貯めたお金を種銭として貯めるチャンスだ。その資金を使って、

・稼ぐ → 使う

のサイクルから、

・稼ぐ → 貯める → 増や → 使う

へのサイクル移行に踏み出してみてはどうだろうか。

理屈だけでは分かりにくい。俺の経験した具体的な話しをしよう。最初の本格的な投資先は「さわかみファンド」を選んだ。さわかみ投信株式会社が証券会社を通さず直接販売する投資信託だ。これ、創業者の澤上篤人さんが、長期投資を旗印に立ち上げた日本初の独立系運用会社で「さわかみファンド」1本を運用・販売している。
そもそも投資信託とは、

・自分のお金を信じる人に託す

ことなので、当時、澤上さんが提唱した「日本に長期運用というまともな資産運用を広めたい」という思いに賛同して、ファンド仲間に加わった。
さわかみファンドの詳細はネットで検索いただくとして、なにより各種手数料がかからないという点に注目した。

・購入換金手数料なし

その当時、証券会社を通じて購入できる投資信託には購入から換金に至るまで様々な手数料がかかり、たとえ5%で運用できても売却すると元本ぎりぎりという商品が実際多かった。
その点、さわかみファンドはいさぎがよい。ファンドの純資産額の1.1%の信託報酬の中ですべてをまかまってくれる。しかも1万円からの「定額定期購入」が出来た。これこそ長期運用の王道なのだ。ファンドの価格は規準価格というが、それを追いながら安いときにまとめて購入する「スポット購入」も出来る。が、これは中級以上の投資家がやるべきで、まずは定期定額で自動的に「つみたて購入」すること。
さわかみファンドで、投資信託の仕組み、付き合い方を学ばしてもらった俺、すでに全額を売却しているが、17年間保有して元本の2倍近いパフォーマンスを出してもらった。
さわえかみファンドを薦めているのではない。コツコツ貯める投資信託は儲からない、という刷り込みを消したいのだ。どれでもというわけではないが、投資信託は、まず以下3点が選択の規準となることを覚えてほしい。

・ローコスト 
・長期つみたて購入
・分配金ではなく、再投資

手数料、信託報酬を切り詰めたファンドがいい。これについてはインデックス連動の投信信託にかなうものはない。詳細は別途書く。長期つみたて購入は言うまでもなし。毎月分配金の出る投資信託につい手を出しがちだが、これもだめ。配当がでたらそれを元本に組み込める再投資コースを選ぶこと。学校で習ったでしょ? 単利より複利だ。増えるスピードが違う
さて、俺がなぜ豊かなリターンをこのファンドから得ることができたのか。明かせばアベノミクスである。2012年第二次安倍政権が発足したときの日経平均株価は1万230円。そして現在は、コロナだろうが首相辞任だろうが、これを書いている時点で2万3000円超えしている。さわかみファンドの基準価格も当然2倍以上となるわけだ。
コツコツと貯めつつ、安倍さんが病気で第一次政権を投げ、民主党政権となり、日経平均7000円から8000円という低迷期にスポットで購入できたことも大きい。まとまった資金はこうした時に効く。今回の安倍さん首相辞任、功罪は感傷的な気持ちと切り離して考えるべきだが、株価押し上げてくれたことについては、居酒屋個人投資家として、感謝している。もちろん、そのためにお金じゃぶじゃぶにしたツケはこれからやってくるが、俺たちじじい世代がばんばってお金を使うことをまずやろうじゃないか。あの世まで、お金は持っていけませんからね。

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