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短編小説「By Your Side」2

そんなふうにして二人はまた、かつての恋人同士かのように語らい、たのしく過ごした。

しかし日に日に夏美の容態は悪化し、病院に入院することとなった。
タカシからのメールの返信も滞るようになり、
夏美はどこかタカシを避けている様子だった。

タカシも夏美の心情を察し、少し距離を置いた。

「今日会えるかな?」
夏美からメールが届いた。

タカシはすぐに病院へ出向いた。
案内された病室は個室だった。
ノックをし、声をかけると、
少しかすれてはいるが、愛嬌のある、いつもの夏美の声が返ってきた。

夏美は少し痩せてはいたが、ニコニコといたずらそうに笑って迎えてくれた。
そんな夏美を見てタカシも心配な気持ちではあったが、うれしくてたまらなかった。

「ゴメンネ、なかなか返事返せなくて」
苦笑しながら夏美が言うと、
「いいよ全然」とタカシも笑ってこたえた。

それから二人は、この病室で次の日も次の日も時間を共にした。
夏美のオススメのラジオ番組を二人で聴いたり、
タカシは自分が気分を落ち着けるときによく聴く、イギリスのバンド「シャーデー」をすすめ、のちに夏美も好んでよく聴いてくれたのだった。

つづく

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