読書感想文#12 【鹿の王】文庫3 著者・上橋菜穂子

読書感想文#12 【鹿の王】文庫3 著者・上橋菜穂子+

面白かった!

2つある。

①病の流行は人為的なものだった
②それぞれの立場と思惑

●あらすじ 元戦士で奴隷として捕らえられていヴァンと医術師のホッサルという2人の主人公の視点からなる物語。250年前に国を滅ぼした伝説の病が現代になってまた流行りはじめた。それは狼に噛まれると発症する病。その狼に噛まれたが奴隷の中で唯一生き残り逃げ出したヴァンと病から人々を救うために新薬作りに奔走する医術師のホッサル。狼からの人へと自然発生的に再び流行し始めた病だと思っていたが人為的なものだという疑いが出始めた。。

面白かった理由①
病の流行は人為的なものだった。

250年ぶりに流行し始めた伝説の病。免疫の関係でツオル王国という侵略した側の国の人に多く死人が出るという事がわかった。元々の住人であるアカファの民にあまり被害がない事がわかり、これは人為的なものだという疑いが出てきて、その犯人を突き止めるためにいろいろな人、組織が動き始める。国を滅ぼした伝説の病を意図的に流行らせようとした人がいるのであれば狂気だし理由が知りたくなりドキドキして面白かった。

面白かった理由②
それぞれの立場と思惑。

侵略した側とされた側の立場の違い。侵略された側でも中央にいるものと辺境の地にいる者、侵略した側でも移住して不遇の日々を送る者。追う者と追われる者。病を通じて様々な人々の立場と在り方と思惑が交差する。それにより病に様々な解釈が生まれる。ある者は呪いだと言ったり、ある者は神の病だと言ったり、陰謀だと噂が上がる。個人の想いや行動の中にも所属する組織や国の影響を色濃く受ける。いろいろな立場と思惑が垣間見れて問題がある時に起こる事の縮図を見ているようで面白かった。

この記事が参加している募集

#読書感想文

188,091件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?