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高橋 幸宏、去る。

「深く深く、御冥福をお祈りいたします。」

またひとり、自分の中に生きていた
感性を喪った。


日本を代表するテクノサウンド。

「ピコピコ サウンド」と言えば
分かりやすいのか。

ボクがシンセサイザーに興味を持ち始めたのが
「YMO」のライディーン。
※(イエロー マジック オーケストラ)。

高橋幸宏氏。
ドラマーでもあり、ボーカルでもあり、
多彩な感性で音楽を「拡張」し、
日本を代表する芸術にまで高めた功績は
大きい。

 経歴やプロデュースに関して
ここでは割愛する。
 あまりにも多才過ぎるからだ。

 その存在はボクの中でも
感性を揺さぶる「特別な存在」。

 感性を言葉に変換し、表出させるのが
難しい年頃のボクに染み込んできた
サウンドと歌詞。
 
偉人が残した偉大な格言よりも
心の中に響き、励まされた。

激しくもあり、静かに寄り添う歌声。

年齢を重ねると「強さ」「しぶとさ」が
身についてくる。
 同時に、自分の中に生きていた「心」を
削るような場面と遭遇する事も多くなる。

「悲しみ」「苦しみ」「怒り」、揺れ動く
感情に惑わされなが成長し老化する。

その感情の中でも人の「死」から受ける
揺らぎは衝撃的だ。

「誰にもやって来る」、
当たり前の事が受け入れられない。

 自分の生きた時間と共に過ごした
アーティストの訃報は衝撃力が強い。

生きることを重ね、過ぎ去った時間が多くなる程に、流れてくる音楽は当時の自分のままでいつまでも若く、老化しないのだ。

自分の中に生きている人たちの訃報を知る度に喪失感に襲われる。

久しぶりにアナログレコードに
 針を落としてみる。

曲が終わり、
無音のレコードノイズが繰り返される。

 「死ぬことへ向かっているんだよ。」

数秒の沈黙と黙祷。

「僕はきっと 大丈夫
悲しい程 明るい中で
君にサヨナラ」
   MUSIC By  Yukihiro Takahashi


安らかに眠る。


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