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AIの世界で日本は破滅していた

辺境だより①


1月某日
 能登半島地震で幕開けした2024年。地震が起きると津波や住民の安否と同じく関心が集まるのが原子力発電所(原発)の被害状況なのだが、これって冷静に考えるととても理不尽で馬鹿げたことだ。天災被害への対応だけでも大変なのに、人災でしかない原発事故に怯えなくてはいけないのってなにからなにまで狂っている。東日本大震災の後にも、日本列島では震度6以上の地震が30回近く起きている。その都度、近くの原発の放射能漏れを恐れなくてはいけない現実を受け入れろなんて、頭のネジが外れているとしか思えない。

 日本の原発数はアメリカ、フランス、中国に次いで4位で、13年前の東日本大震災以前は狭い国土に54基もあった。なぜこれほどの地震大国にこれだけの原発を建て続けたの? なぜ? 子どもたちに説明できるの? 原発反対、とだけいいたいのではない。すべての原発はメルトダウンを起こしつつある核兵器である。地震でそれが顕在化したに過ぎない。原発は核弾頭をつけた要塞そのものだ。原発は人類知が扱えない代物であることを3.11震災後に出版された中沢新一の『日本の大転換』が懇切丁寧に説明している。読んでない人はすぐにでも書店に駆け込もう。核兵器反対。

 今回の地震で震源地に一番近かったのが石川県唯一の原発・志賀原発だ。能登半島の志賀町の市街地から10kmほど離れ、日本海に面している。東日本大震災後に再稼働が認可されている原発は6発電所・11基で、志賀原発は運良くも休止中の原発の一つだった。1号機は能登半島地震が起きた1993年に運転を開始し、2号機は2006年に運転を開始している。1999年に臨界事故を起こしたが、それでも2号機を作った。つい最近のことだ。

 東京新聞だけが指摘していたが、志賀原発が計画される前に奥能登の珠洲市に珠洲原発が検討されていた。今回の地震で最大の被害を被っている地域だ。100万Kw級の原発2基を2014年に運用開始するという珠洲原発計画は、28年後の2003年に住民の地道な反対運動によりようやく凍結された。もし珠洲原発が建設されていたら? もし稼働中だったら? AI検索であるChatGTPで存在していない「珠洲原発」と入力してみた。

以下がその答えだ。

 「珠洲原発は、日本の石川県珠洲市にある原子力発電所です。この発電所は北陸電力が所有・運営しており、日本国内で運用されています。珠洲原発には、現在2基の原子炉があります。地元コミュニティや環境団体などからは、原子力発電所の安全性や環境への影響などについて議論されることもあります。」

AIの世界で日本は破滅していた。

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