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コンサートと音楽療法

音楽療法のことを書こうと思います

コンサートと音楽療法
何がどう違う?

そもそもここがややこしいんですね

好きなアーチストのコンサートに行かれた方が
「癒された」
「これで明日から頑張れる」
と仰るのを聞いたことがあります
「感動した」
「涙が止まらなくて」
というお話しもお聞きします

コンサートで感動して満たされる
この素晴らしい出来事は「音楽療法」なのではないだろうか
音楽の作用で自分の悪い部分が消え去り
澄み切った無垢な私に生まれ変わる
それくらいに素晴らしい経験をなさったということだと思います

ところがこれは音楽療法ではないのです
この辺りが一番紛らわしいことになっているように思います

私もコンサートをさせて頂くことがあります

コンサート・ライブは何をするものなのか

まずこれをはっきりさせますと

コンサート・ライブは
(他の人にはない)自分にしか出来ないことを披露し
聴いて下さる方たちが「この技術をいま自分のために使ってくれるのか」
と感じて頂けるかどうか
ここがひとつの大切なポイントだと思います

例えば
ボーカルの技術として
声と歌い方の種類が豊富
それらの使い方が定在適所
声自体がお品になっている
フレーズが美しくて理に適っている
音符からどんなストーリーを読み取っているか
など

これらを良い具合に使った音楽を「聴いて頂く」
ということを目的にしたものがコンサートだと思っています

では音楽療法は何なのか?


療法というのですから代替医療なのです

Wikipediaの代替医療一覧の「あ・か」をクリックしますと
ズラズラと並んだ途中に
音楽療法と出てきます
ほかにはアロマテラピーや
私の好きな灸も出て参りました

私なりの例です

アロマテラピーは
症状を診る
必要な精油を選ぶ
使用方法を見立てる
施術する
ですよね

お灸は
症状を診る
経絡やツボの必要なところに
必要な分量を
相応しい方法で施術する
ですね

音楽療法も同様です
対象者様を見る
(何がどうなるとその方が改善されるかを見立てる)
それには音楽のどの部分をどう使えば良いかを見立てる
施術する
記録する

その人に必要なことを音楽で代替医療として行いたいのですから
コンサートのように
何十何百何千何万人の団体に対して同時に行うことは出来ないのです
(何十何百何千何万人の記録を付けることも出来ないですし。。。)

施設などで行われるグループセッションは
ひとつのグループとしての10名ではなく
1名ずつを合計して10名になってグループと呼んでいるのです
おひとりずつに合う音楽と内容をご用意し
それをグループという形式で行っているのです

例えば
2曲目はA氏のため
3曲目はB氏のため
4、5曲目はB氏とC氏のため
と組み立てて
その全体を10名一緒に体験して頂くのです

もちろん一度や二度では改善されませんので
週1回、何ヶ月何年も繰り返し行います

音楽療法は
「では、今からあなたに療法します」などと宣言せず
歌や音楽を楽しみや遊びととして行いますので
施術されている感じもなく
知らない間に自然に変化されます

どういう変化があるかと言いますと

子ども
話せない子が話せるようになる
目が合わない子が目が合うようになる
自分の思いを伝えられるようになる
数が数えられるようになる
友達との程よい距離を作る
自己決定の促進
自己表現の促進
空間認知機能の促進
微細運動機能の促進
など

大人
気持ちに変化を起こす
ストレス軽減
各身体機能の維持と改善
歩行促進
嚥下機能の維持と改善
感情表現の促進
仲を取り持つ
自分らしさを取り戻す
痛みの軽減
不定愁訴の回避
喜びと安心が湧く内省
明るくなる
単純な至福の感受
やさしさを思い出す
愛されるべき存在と自覚
など

これらの変化が起こるように音楽を使って仕向けるのです

変化は次第に生活に反映されます

お子様の場合には月齢年齢の成長と伴い
数ヶ月前に存在した問題をすっかり忘れてしまうほど
大きな変化が見られることもあります

おまけ

ところで
「(他の人にはない)自分にしか出来ないことを披露する」でもなく
「代替医療」でもない
そういう音楽もある
それはどなたの役にも立っていないかもしれません

誰の役に立たなくても
やってる自分が嬉しい
そういう音楽

これは
音楽の基本です

自分が嬉しくてしてる
ということを自分で理解しておくのは大事です

聴いてくれる人が自分を支えてくれている
ということに気付くことができます



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