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nikumori
ToHeart2 には戻れない
高校一年生のときに仲良くなった友人に、『ToHeart2』を借りて、それはそれはハマった。
最初に攻略したルートは「十波由真」で、そういう思い入れもあって、彼女が一番好きだ。
とはいえ、一度しかやってないからどんな展開だか忘れてしまったけど、ビルだかタワーだかのガラス越しのシーンとか涙流しながらやっていた。
学級新聞に縦読みで「十波由真は俺の嫁」と入れて、高校の廊下に堂々と飾らせた覚えもある。
愛佳、このみ、タマ姉、UFOお姉さん、FF10ルールーの声の子ちゃんまでやって止めてしまい、それ以来ギャルゲーは一つもやってない。
「ToHeart2」事態も、アニメも、スケベマシマシのファンディスクも、ダンジョントラベラーズも触っていない。
多くのオタクと同じように、タマ姉はとっくに姉ではなくなってしまっている。
それでも時折、今日のように思い出してはブラウン管の奥の彼女たちに想いを馳せる。
スイッチを入れ、ゲームが起動すれば彼女たちはあの頃と同じように私を迎えてくれるだろう。
『ToHeart2』、それはほとんど私の青春の原体験といっても過言ではないと思う。
ヘッセ『郷愁 ペーター・カーチメント』のように変わる私と、変わらない旧友のような存在である。
私は、このnoteを書いている今も不可逆的に前へ歩き続けている。
青春を作り上げてくれた顔のある人たちも戻ることなく、前へ歩んでいる。
そんな私が後ろを振り向くとき、『ToHeart2』はいつも、あの高校一年生の初夏のまま、私を待ち続けてくれている。
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