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【芥川也寸志】今日行ったコンサートの感想:令和04年(2022年)03月20日(日)【シベリウス】

芥川也寸志『交響三章』
 この曲目当てでこのコンサートに来ようと思いました。芥川也寸志の曲は作曲者本人が録音したCDが残っているので、演奏の解釈などは固定していると思いますが、今回初めて生で聴いて、普段CDでは聞こえないパートが浮かび上がって聞こえて来て、新鮮な思いをしました。アレグロの作曲家・芥川也寸志。子守唄も書けるぞ! パンフレットでは先生として伊福部昭のことしか書いてなかったけど、戦前は橋本國彦先生のもとで学んでいたので、そういう民族的な中にも都会的洗練さが見えるということに言及してほしかった。
 広上淳一指揮/東京フィルハーモニー交響楽団の演奏: https://youtu.be/wA5sdXQmMMQ

プロコフィエフ『ピアノ協奏曲 第3番 ハ長調』
 普段演奏者が誰かということを気にせずにコンサートに行くのですが、パンフレットを見てびっくり、ピアニート公爵さんがソリストを務めていました。マジかよ! ニコニコ動画で「振り込めない詐欺」と言われていたあのピアニート公爵さんじゃないですか! 調べてみたらアルカンのCDを出していると知りました。プロじゃん。買うしかないでしょう。アルカン ピアノ・コレクション1《交響曲》 森下唯
 鋼のピアニスト・プロコフィエフが自分で弾くからといって好き勝手に書いた当時最先端の前衛であったピアノ協奏曲を縦横無尽に弾き尽くしていました。ダイナミックな低音と高音の移り変わりや、細やかなピアノの散乱など、手の動きが見える席で聴けて良かったと思いました。
 それにしてもこの曲の「越後獅子」伝説は本当なんでしょうか。日本古典音楽の『越後獅子』を聴いてみても、どこが引用されているのか全く分かりませんでした。第3楽章の冒頭を聞いて、都節音階っぽいねとは思うのですが、メロディの一致は見られないのでは???
 アンコール、歌謡旋律にきらびやかなピアニズムがまぶされていて、ハーモニーも新鮮、キラキラ、非常に眩しくて華やかでした。あれは何という曲ですか。
 パンフレットではプロコフィエフがウクライナ出身であることに言及していました。ドネツクにはセルゲイ・プロコフィエフ空港という空港があります。
 ユジャ・ワン/クラウディオ・アバド指揮の演奏: https://youtu.be/q4TyQ97Jcr0?t=62

シベリウス『交響曲 第5番 変ホ長調』
 初めて聴きました。予習して来ませんでした。普段シベリウスを聴かないのですが、今年はコンサートで聴く機会が多いので、今まで聞かなかったことを後悔する勢いで好きなところを見付けて行きたいと思います。
 ソナタ形式だったのかな、もうソナタとかどうでもいい時代だったから幻想曲なのかな、などと思っていました。結構短調寄りに影を落とす部分が多く、「長調か~、聴く気起きねえな~」などと普段言っている私でも心地良く聴けました。ホルンの存在感がとても印象的。伸びやかでおおらか。北欧の大地といった感じ。最後の締めが、堂々と決然と溜めに溜めて行われて、息を呑みました。
 ユッカ=ペッカ・サラステ指揮/ラハティ交響楽団の演奏: https://youtu.be/XIIfMjRMqRs?t=42

シベリウス『フィンランディア』
 交響曲が終わった後にチューバの人が入って来たので、「おっ、アンコール何かあるな?」と思って身構えていました。冒頭が始まり、え? フィンランディアって10分くらいあるよね? と思いました。アンコールで聴けるとは。最初っからプログラムに書いた方が良くない? でも良い演奏でした。フィンランディアといえば、フィンランドがロシアと戦っている時期のフィンランド独立の曲です。ロシアと戦うウクライナを応援する意図があったのではと思う。考え過ぎかな。
 ユッカ=ペッカ・サラステ指揮の演奏: https://youtu.be/Ppy3T4NAABI?t=15