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農具の話 掘る編

こんにちは。あしたの朝4時から草刈り予定の新米農家の者です。

クワ、カマ、ジョウロとメインどころは終わったので、そろそろマニアックな農具の話になっていきますね。

今日のテーマは掘る道具について、歴史を交えてまとめていきます。

掘る道具の歴史と進化

掘るってのは人間が行った超原始的な行動ですよね。ある意味掘る道具は道具の中でもとびっきり古くからあるようです。

農耕は23,000年前には麦類の栽培の形跡が残っているようですが、麦栽培で掘る道具は使ってなさそうだよなあ。

堀棒は東南アジアの根菜農耕文化が始まった1,5000年前と言われています。タロイモ、ヤムイモなどの芋類です。

堀棒とは?

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原始的農具の一種で,よく土を掘ることができるように先をとがらせた棒。採集民たちは球根掘りなどに用い,また犂,鍬をもたない原始農耕民たちは,土を浅く耕したり,種や芋の芽を植付ける穴を掘るために用いる。(ブリタニカ国際大百科事典 より参照)

使い方はイモ類を植え付けるための植え穴を空けるために、長い棒で穴を空けていきます。堀棒は狩猟でも使用していたようなので槍に近い感じです。

現代でも機械を使用しない農業ではこんな感じで植え穴を空ける人もいます。イモ類は植え穴の深さって重要なのでここまでシンプルな道具ではなさそうですね。

原始人が変な槍みたいな道具を持ってる印象があるけど、もしかしてあの道具のことなのかも。

踏み鋤とは?

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踏み鋤(ふみすき)とは、土を掘り返すための刃先を、柄と同じ方向に取り付けた農具。(Wikipedia 踏み鋤より参照)

踏み鋤にも色んな形がありますが、大体共通するのは先端に刃先が付いているのと、足掛けが作られていることですね。画像のように形に地域性があります。

使い方は、地面に対して斜めに突き刺して、テコの原理で掘り起こして使用します。土を耕す目的から用途としてはクワに近いですね。単純に地面に突き刺して使用することもあります。

スコップとは?

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人力で土砂などを掘削するのに用いられる土工用具。
(世界大百科事典より参照)

時代はだいぶ飛んで、627年にサルマーン・アル=ファーリスィーというペルシア人の土木技術者が、ハンダクの戦い(塹壕の戦い)でメッカ連合に対して塹壕を掘って防衛に成功しました。

この塹壕を掘る時に使用された道具が世界初の金属製シャベルだと言われています。

JIS規格8902においてシャベルとスコップについて規定されています。目を通してみましたが、シャベルとスコップに大した違いがありませんでした。

まあ僕ら一般人にとってはどちらでも良いし、どうでも良いですね。使い分けるときは大きいスコップ、小さ目のスコップで十分伝わります。

スコップの種類

簡単に分けると材質ですね。アルミ、ステンレス、スチール。形状は先が四角いものと丸いものがあります。掘るなら先が丸い剣スコップ、土をすくうなら先が四角いスコップを使うのが良いですね。

アルミ

ステンレス

スチール

角スコップ

最近はキャンプブームで携帯性の良いスコップも人気ですよね。

まとめると

こうまとめてみると、掘る道具は案外現代でも使ってるものばかりですね。

近代になって材質が変わったぐらいなのでしょうか。まあテコの原理的に最も効率のよい長さとか、比率や重量になってそうですけど、使う側にはわかりませんね。

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今日はここまで。


おまけ

今回の記事使用した画像はみんぱくリポジトリ 中央アンデス農耕文化論より参照しています。

みんぱくリポジトリは、インターネットを通じて国内外に無償公開することにより、学術研究の発展に貢献するとともに社会に対する説明責任を果たすことを目的とするウェブサイトです。

個人的に農耕文化論は面白かったので、しばらく熟読したいと思います。


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