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久しぶりに演奏会に行って感じたこと

先日、ある吹奏楽団の定期演奏会に行ってきました。
前職で一緒に働いていた方がホルン奏者として出演するとのことで、招待していただいたんです。

その方はもう70歳近いのですが、本業のかたわら毎週金曜日に吹奏楽団の練習に参加し、70歳とは思えないくらい生き生きしている方。
私も中学時代に吹奏楽部でホルンを吹いていたので、よく音楽の話をしていて、もしコンサートがあったら誘ってくださいね、と前々から言っていました。

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私がその方と一緒に働き始めたときはすでにコロナ禍で、コンサートはおろか練習もあまりできない状況だったそうです。
それが今回3年ぶりに人数制限をしてホールで演奏できることになったということで、約束通り誘って頂きました。

蘇る記憶

私が吹奏楽の演奏会に行くのは大学生のとき以来、約15年振りです。
本当に久しぶりでしたが、記憶はきっかけさえあればすぐに蘇るものですね。
ホールに着いて楽器の音が聞こえると、自分が定期演奏会やコンクールに出ていたときの感覚を思い出し、なんだか懐かしくなりました。

演奏者が揃うと、チューニングが始まります。
チューニングとは、皆で同じ音を出して、音程が合っているかどうか最終調整すること。
全員が音を出すので迫力もあり、ピッタリ音程があっているとかっこいいのです。
チューニングが終わると、いよいよ始まるぞ、という雰囲気になり指揮者が登場。
演奏が始まります。

吹奏楽の演奏を聞くといつも感じるのは、全員で一つの音楽を作り上げるぞ、という演奏者の想い。
その想いが伝わってくること、そして自分が音楽に包まれているような感覚になるのがとても心地よくて好きなんです。
今回の定期演奏会も、とても心地良く演奏を聴くことができました。

演奏後も続く素敵な時間

演奏が終わると、観客から大きな拍手が送られました。
この拍手が一回で終わらないのが吹奏楽の演奏会です。
拍手が一段落すると、指揮者がソロを吹いた奏者のところへ歩いて行きます。
指揮者がジェスチャーでソロ奏者に立つように伝えると、ソロ奏者が立ち上がっておじぎをします。
観客はその奏者に向けて改めて拍手を送るのです。
その後、ソロ奏者だけでなくそれそれの楽器ごとにおじぎ、拍手の流れが続いていきます。
演奏会に行ったことがある方は見たことのある光景ではないでしょうか。
最後の方は拍手するのが辛くなってくるアレですね。

この光景を久しぶりに見たとき、なんて素敵なんだろう、と思ったのです。
大人数で一つのものを作り上げると、どうしても個人に目が行きづらくなります。
でも最後にこの流れがあることで、舞台に乗っている全員がそれぞれ大事な役割を果たしたということが改めて認識できます。
それに対して観客も、敬意を表して拍手を送るのです。
とても温かい世界観だと思いませんか?

思い出した、私の好きな世界

これを当たり前にやっていた吹奏楽部時代は、こういうものなんだと思っていたので特に何も感じていませんでした。
でも、直近の1年間「まずは人をけなす」というスタンスのワンマン社長のもとで働いていた私は、この尊重し合い称え合う様子を見て思い出したんです。
やっぱり私は、こういう世界が好きだな、と。

以前に外国人だらけの職場で働いていたときもそうでしたが、皆んないろんな価値観を持っているからこそ尊重し合っていて、その環境がとても好きでした。
もしかしたら、中学時代に吹奏楽部で尊重し合う環境に身を置いていたからこそ、そう思ったのかもしれません。
今後はやっぱり、お互いが尊重しあえる環境に身を置きたい、と改めて感じました。

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