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クラスで孤立は人格のせい?(これ、いま流行りの、マルトリートメントじゃないっすか⁉⑱)

クラスで孤立は、人格のせい? の巻


 
どうも、こんにちは。ゴンベーでございます。
 
四月も半ばを過ぎましたね。
 
この四月から、新しいクラスになった子も、多いと思います。
ゴンベーの通っていた小学校では、2年に一度、クラス替えがありました。
学校によっては、1年に1度ってところも、あるのでしょうか。
 
クラス替えは、子どもにとって、一大イベント。
仲の良い子と同じクラスになれたり、はたまた、
自分一人だけがちがうクラスになってしまったり。
 
後者だと、キツイっすよね~。
3月の終業式までは、一緒に遊んでた子たちが、
クラスが変わった途端、ぜんぜん交流がなくなったりして。
 
1年ないし2年かけてきずいた友人関係が、クラスが変わると
スパッと切れてしまうのだから、なかなか大変なイベントです。
 
ちなみにゴンベーは、「自分一人だけちがうクラスになる」ほうでした。
 
もうね、何か、呪われてんのか?ってくらい、必ず、一人になるんっすよね。
 
一番仲の良かった子が、学期末に転校したり。
他の子たちとも、クラス替えでゴンベーさん一人だけが
違うクラスになったり(他の子たちは同じクラスなんです)。
 
それが結局、高校卒業するまで、ずっと続いたなぁ。
 
さて、我が子が、クラス替えを迎え、しかも、
仲の良い子と離れてしまったら。
 
親御さんはやはり、気になるでしょう。
「うちの子、新しいクラスで、うまくやっていけるだろうか」って。
 
タイトルを見て予想済みかもしれませんが、ゴンベーさんは、
新しいクラスで、たいてい孤立しておりました。
 
新しいクラスでは、ゴンベーさんは一人でしたが、
もちろん、前のクラスの時の仲良しグループが
同じクラスになった、って子も多いわけです。
 
そうすると、すでに関係性ができあがっている子たちの中に、
入っていかなきゃならない。
 
これだけでも大変なんですけどね。
ゴンベーさんの場合、がんばって仲よくなろうとしても、
結局「何でこの子、入ってこようとするの」みたいな目で
見られることが、多かったのです。
 
なぜ、そうだったのか?
ちょっと、ゴンベーさんの日常を見ていただきましょうね。
はい、こちらです⇓
 
・一週間ぜんぶ、塾と習い事でうまっている。
・放課後、学校の子と遊ぶの禁止。
・学校から帰ったら、家の手伝い(習い事に行くまで)。
・時間があく場合、許された娯楽は読書のみ。
・読んでよい本は、児童文学やミステリの名作、伝記など。
・マンガ禁止。テレビ禁止。音楽も禁止。
・お小遣いゼロ円。
・お誕生会は開かない。
 
ざっと挙げただけでも、こんな感じです。
「ちびまる子ちゃん」のアニメでさえ、見たことありません。
 
どうでしょう。この日常を生きてる子。
友だち、できそうっすかね?
新しいクラスの子と、仲よくなれそうですかね?
 
例えば、放課後。
ゴンベーさん以外のクラスの子たちは、一緒に遊んでます。
ゴンベーさんだけが、一緒に遊ぶことができません。
よく日、クラスで顔をあわせれば、「昨日の遊びのときの話」で
盛り上がってます。
 
例えば、休み時間。
クラスの子たちは、流行りのマンガやテレビ、音楽の話などで
盛り上がっています。
ゴンベーさんは、その話、さっぱり理解できません。
 
例えば、お誕生会。
クラスの子たちは、お互いに、呼びあっています。
自分が呼ばれたら、相手も呼ぶという、暗黙の了解がありました。
ゴンベーさんは、自分のお誕生会がないので、「お返しに呼ぶ」が
できません。
 
何度か、クラスの子のお誕生会に呼ばれたことは、あるんです。
そういう時は、必ず、陰口たたかれてました。
「あの子、なんで来てるの。自分の時は、呼ばないくせに」ってね。
お誕生日会の主催者本人に、「なんで呼んだの?」って聞いてる子も
いましたね。
 
例えば、修学旅行。
これは、たまたまなんですが、バスが立ちよったサービスエリアに、
芸能人がいたことがあったんです。
ジャニーズの、わりと有名なグループの人たちだったらしいっす。
 
当然、同じ班の子たちは、大盛り上がり。
みんなで近くまで行こーって誘い合って、バスを降りていきました。
 
ゴンベーさんは、誘われませんでした。
そもそも、その人たちが誰なのか、ゴンベーさんには分かりませんし。
常日頃から、クラスのみんなが芸能人の話で盛り上がる輪の中に、
ゴンベーさんは、いないわけですから。まあ、誘えってほうが無理ですわ。
 
みんなで何かするって時にはいつも、ゴンベーさんは、
外されていましたね。
日ごろ一緒に遊べる仲間だけが、イベントを共有できるんです。
そんなの、大人だってそうですよね。当たり前のことだと思います。
 
同じクラスの子と、
放課後の時間も共有できない。
休み時間の話題も共有できない。
お誕生日=特別な日も共有できない。
 
例えば、班のみんなでやる宿題が出たとき。
宿題終わってから、みんなで駄菓子を買いに行き、
「これおいしい」とか「それちょっとちょうだい」とか
ワイワイやっていても、ゴンベーさんはあめ玉ひとつ
買うことができません。お小遣いゼロ円なので。
 
味覚も体験も、とにかく、何にも共有できるものがないんです。
 
こんなんで、どうやって、すでに出来上がったグループの中に
入っていけと?
既にたくさんの物を共有し、現在進行形で共有し続けている子たちの中に、
何一つ共有できない新参者が、入れるはずがあるでしょうか?
 
ですが。
Z家は、ゴンベーさんが孤立する原因が、日常の環境にあるとは、考えません。
 
「親兄妹」に言わせると、ゴンベーさんが孤立した理由は、こうです。
「あなたは人づきあいがまともにできないから」
「お前みたいなやつ、みんな嫌いなんだよ」
「お姉ちゃんは暗いんだよ。精神病院に入れられるよ」
 
いやはや、こうしてふりかえってみても、
とんでもない暴言を浴びながら育ってきたもんですな。
 
日常的に、家庭でこんな暴言を浴びながら育っている子が、
自信まんまん、天真爛漫、太陽のように光りかがやき、
自己肯定感に満ちあふれた明るい性格でいられると、
本気で思ってんすかねぇ。
 
ちょっと話はそれますが。
実際のところ、ゴンベーさんは、学校でいじめられたことは
ありません。そりゃ、合わない子たちは、いましたけどね。
ゴンベーさんの陰口叩いてる子たちもいましたが、
そういう子たちは、大体、ほかの子の陰口も叩いてますから。
 
それどころか、孤立しているゴンベーさんを気にかけてくれる子は、
今ふりかえってみれば、何人もいました。
 
今になれば、分かるんですけどね。
子どものころは、分からないんです。
毎日毎日、家のなかで、呪いのように
浴びせられる暴言を、信じこんでしまうんです。
 
すなわち、「自分は人に嫌われるようなやつなんだ」
「自分はまともに人付き合いができない人間なんだ」。
 
今でもゴンベーは、人間が怖いです。
人付き合いが苦手、とかいうレベルじゃありません。
人間が怖いです。いつ、悪意を振りかざしてくるか、
分からないから。
 
ですが、この恐怖心の大部分は、家庭で育まれたものと思われます。
そういうことに気づけたのは、ここ数年のことで、まだ、恐怖心は
抜けないんですけども。
でも、親切にしてくれた子たちがいたと、気づけてよかったと思います。
 
あの時のみんな、気にかけてくれて、ありがとう。
 
さて、「クラスで孤立するのは、本人の人格のせい」説。
これって、本当でしょうか。
 
放課後、遊びに誘ってくれるクラスの子たちに、
「ごめんね、今日、そろばん塾あるから」
「土曜日は、塾に行かなきゃいけないから」
そう言って、誘われるたび、くり返しくり返し、
どれだけ断ったことでしょう。
 
勝手に申しこまれ、無理やり通わされる、塾や習い事。
「行きたくない」と一言でも言おうものなら、
無理やり服をぬがされ下着で放置されます。
「塾に行かないんなら、服なんか着てなくていい」からです。
 
ですが、クラスの子たちにしてみれば、
ゴンベーさんを遊びに誘うたび、断られるんです。
気分悪かったでしょうね。おもしろいはずが、ありません。
 
そのくせ、休み時間とか、都合のいい時だけ、
自分たちの仲良しグループに、入ってこようとする。
クラスの子たちからは、そう思われていたようです。
 
一度だけ、忠告してくれた子がいました。
「あんまり、そろばんだから、とか言って、
 断ったりしないほうがいいよ」と。
 
そう言われても、どうすればよかったのでしょう。
塾や習いごとに行かないと、怒鳴られて暴力ふるわれるのに。
 
どうにもできなかったです。小学生のゴンベーさんには。
 
だから今、せめて体験をお話することで、
「親御さんたちに」気づいてほしいと思います。
 
子どもは、子どもどうし、時間や体験を共有しないと、
仲よくなれません。
 
「子どもだったら、誰とでも仲よくしないといけない。」
「子どもどうしは、仲間外れを作ってはいけない。」
そんなもんは、大人のエゴの押しつけです。
 
「子どもどうしは、誰とでも仲よくできるはずなのに、
 クラスで孤立するのは、本人の人格のせいだ。」
そうではないんです。仲よくなるための、環境がないんです。
 
もちろん、実際に人付き合いがうまくできない子もいると思います。
その子には、その子に合ったサポートが必要です。
 
ですが、そうと決めつける前に、もう一度、見なおしてみませんか。
「この子に、クラスの子たちと、体験や時間をたっぷり共有できるだけの、
 環境があるだろうか」と。
 
もしかしたら、「親」や本人が思っているほど、その子は、
人付き合いが苦手なわけでは、ないのかもしれませんから。
 
今回も、お付き合いいただき、ありがとうございました。

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