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Youの和訳から見えるもの(これ、いま流行りの、マルトリートメントじゃないっすか⁉⑰)

Youの和訳から見えるもの の巻

どうも、こんにちは。ゴンベーでございます。

えー、昨今は、世界がグローバルになってまいりましたね。

外国人と交流することも、外国語をしゃべることも、そして、
外国語を日本語に訳すことも、増えてきたのではないでしょうか。

小学校でも英語の授業がありますから、
小学生でも英文和訳の機会はあろうかと思うわけでございます。

そうしますとですね。気をつけないといけませんのが……。
普段の、家庭での言葉づかいなのでございます。

訳す時にね、出るんでございますよ。
普段、家庭でどのような言葉を浴びているか、が。

ん? どーゆーこと?
頭の上に???が浮かんでおられるかもしれません。
はい、こーゆーことでございます。

例えば、ですよ。
英語の「you」。どう訳されますでしょうか。

言わずと知れた、二人称。
自分と相手、とか、AさんとBさん、とか。
二人の間で使われる単語なわけですが。

英語では「you」でも、日本語では、いろいろな単語に変換できます。

きみ。あなた。そなた。おぬし。
きさま。貴殿。貴兄。あなたさま。
おんどれ。われ。自分。などなどなど……。

いやはや、日本語表現というものは、多彩でござんすね。
「あなた」一択ではなく、状況や両者の関係性によって、
いくつか選択肢が生まれることになるんですな。
選び放題、訳し放題でございます。

さて、ゴンベーさんが中学生の時のこと。
「you」を含む英文を、訳す機会がございました。

確か、教師が生徒に言っているセリフだったと思います。
教師が、生徒に対し、何か怒っているというか、そんなセリフでした。

中学生のゴンベーさんは、この時、「you」を「お前」と訳しました。

つまり、教師が生徒に「お前、何してるんだ!」と怒鳴るとか、
そんなイメージです。

え?
フツーでしょ?

大人が子どもに、怒りをぶつけてるんですよ?
「お前」でしょ。二人称は。

はい、これです。

この訳文を見て、クラスメイトは、びっくらこきました。

「え!『お前』って訳したの⁉」って。

ゴンベーさんには、クラスメイトが何をそんなに驚いてるのか、
さっぱりわかりませんでした。

だって、日常的に、家庭で言われてますもん。
「お前はクズだ」とか、「お前のことなんか、みんな嫌いなんだ」とか。

お前、お前、お前。
ゴンベーさんには、この二人称は、フツーなんです。

ちなみにその時、クラスメイトの訳文は見せてもらってないんですが。
多分、その子の訳文の中では、そのセリフを言っている大人は、
もっと穏やかで理性的な物言いを、していたのでしょう。
二人称は「あなた」とか、「きみ」とかだったのでしょうかね。

結局ね。
「親」たちが、どんなに家の外で取り繕ってみせてもね。
家庭環境って、出ちゃうんですよ。こーゆーところで。

どんなに、「自分たちは素晴らしい親です」みたいな顔、
家の外で作ってみせても。

どんなに、「自分たちは、子どもの言葉づかいを厳しくしつけてます」
みたいな顔、家の外で作ってみせても。

子どもの、日常の中の、何気ない言動には、
「その子がどんな家庭で育っているのか」
「その子が日ごろ、どんな言葉を浴びているのか」
ぜーんぶ、出ちゃいます。

もちろん、子どもだって、「親」たちの姿勢をみならって、
家の外では、一生懸命、取り繕ってみせてるんですよ。
でないと、「親」たちに、また心身を加害されますから。

でもまさか、思ってもみないでしょう?
他の家の子は、「you」を「お前」とは訳さないんだ、なんて。

「親」たちから暴言を吐かれない子は、
二人称に「お前」を使わないなんて。
そんなこと、全く知らなかったんです。

子どもは、ただ、自分にとって当たり前のことを、
当たり前に書いただけなんです。
それが、家庭環境を如実に表してしまうのです。

さてさて、これを読んだ大人のみなさま。
今日から、子どもに、どんな言葉を浴びせますか?
子どもへの二人称に、どの単語を使いますか?

お気をつけあそばせ。
あなたが使うその単語は、しっかり、子どもの日常にきざみつけられています。

今回もお付き合いいただき、ありがとうございました。

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