何から話したものか。
子供の頃、読書感想文を書くのが苦手だった。
自分の感想を文章にするのに、なんて書いたらいいかわからなかった。
「僕はこう感じた、これを読んでこうしたいと思った。」
そんなことがうまく書けなかった。
でも、人が書いた物語や日記、ブログや記事を読むのは大好きだった。
自分にはないものを持っている人がこんなにもいる。
プロの小説家じゃなくても世の中には面白い人がたくさんいるんだ!
思春期まっさかりの僕はそうしてネットにのめり込んでいった。
知識や識者の意見を吸収し続けた。
空っぽだった自分の中身が満たされる感覚がした。
そのうち、自分の気持ちや思ったこと、得た知識、知らせたいこと、面白いと思ったこと。
なんとなく自分でも文章に書いてみることにした。
誰にも見せることがないGoogleドキュメントにただただ書き綴っている。
ごくたまに、その駄文を妻に見せることがある。
駄文と言いつつ、ちょっと出来に自信があるものを。
妻は言う。
「noteでもツイッタでもブログでも、なんでもいいから発信してみなよ」
恥ずかしい気がしてネットには載せずに躱し続けてきた。
何回も書いては自分で読み返して、妻に見せてみてを繰り返して。
そのたびに妻に言われる。
「私に見せるのもいいけど、ネットで他の誰かに見せてみなよ。
いくら書いても、誰にも見せなかったら暗闇でオナニーしてるのと変わんないよ」
暗闇シコリンピック開催。参加者、俺。
以上。
改めて文章化すると虚しさ満点だ。
映画「何者」でも就活生の有村架純が言ってたなぁ。
「10点でも20点でも、出さなかったら点数すらつけてもらえないんだよ!?」
同じグループで就活に臨む岡田将生は、斜に構えて就活をまじめにやっていない、自分にふさわしい企業がない。だから、企業にエントリーも応募もしない。
傷つくくらいなら、最初から挑戦しない方が良い。
「でもそんなのって面白いの?」
わかんねぇ。
見られるのが怖いんだよきっと。
根本的に自分に自信がないんだろうよ。
それでも何でもいいから、自分が書いたものを発信することで何か変わるなら。
誰が見るかわからないけど、俺の話なんか興味ないかもしれないけど。
鬱々とじめじめとした感情も、頭の中の手の届かないところがムズムズするこの感覚を。
自分の好きや嫌いや気になることを。今思ったことを。
今度から頭の中の整理も兼ねて、少しずつでもいいから、発信してみることにする。
さて、何から話したものか。
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