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パートナーとして農業を手伝う15<無人販売所の売上を15%UPするためには?>

「地元の人が毎日食べる野菜を買っていく、そんな場所を作りたいな」
10年くらい前に無人販売所を作った時には、そんな風に思っていた。
1つも野菜が売れない日もたくさんあったし、売り場の品揃えも少なかった。

ここ数年、毎年売上を伸ばしている無人販売所。無人販売所の常連のお客様も増えてきたし、週末の観光客の方々も多くなってきた。
無人販売所に来てくれるお客様はこたろうファームの野菜を目指して来てくれる。
買って食べたら美味しかったから。
高原野菜で検索したらここがヒットしたから。
友人に教えてもらったから。
スーパーでは売ってない野菜があるから。

年々増えるお客様と時折品不足になってしまう無人販売所。
でもいつどれだけ人が来るかわからないのが無人販売所。
野菜を大量に置いておきたくはないし、半分外なので日の当たる時間帯があったり、気温や雨風にも左右される。
去年はできるだけ準備をして、なくなったらすぐ追加をする。お客様には声をかけて、あるものは冷蔵庫から出して販売する。という対応でなんとかこなした。
去年は前年度比15%だった。
さて、今年さらに前年度比15%にしたいなら、私は何をすればいい?
3つの方法を実践してみよう。

1. 単価の高い珍しい野菜の販売

去年の後半から始めた「珍しい野菜コーナー」
カラフルなチコリや聞いたこともないようなスウェーデンカブ「ルタバガ」、紫色の白菜、カラフルな大根、ケールと芽キャベツのハイブリッド「プチヴェール」、葉っぱ付きの鉛筆みたいなサイズの人参。
レストラン向けに作るものもあり、単価も高いこともあり今までは単品の販売はあまりしてこなかった。
これが一般のお客様にもウケた。びっくりするほど売れた。
1個¥400のピンクのチコリが売れ、小さな人参やカブは人気があった。
今年は「珍しい野菜コーナー」を充実させていこう。野菜の説明POPやレシピも置きたい。

12月の珍しい野菜コーナー

2. 今日の「推し野菜」

「今オススメの野菜ってどれですか?」
作業小屋にいると、よく聞かれる質問。
野菜には旬がある。今だから美味しい、っていう野菜は各地域で違う。
私たちは那須高原の気温や天候に合った野菜を作っている。トマトは7月から採れてるけど、うちのトマトが1番美味しいのは9月。
ズッキーニは夏野菜と思われてるけど、うちの6月のズッキーニは皮も柔らかくて美味しい。
11月の白菜はサラダをすすめるけど、1月の凍み白菜は鍋が美味い。
夏のルッコラは苦くて辛くて食べられないけど、冬のルッコラは甘くて味が濃くて美味しい。
私たちは毎日自分の野菜を食べているから、少しずつ変化する野菜の味や皮の硬さ、今なら生が美味しいか加熱が美味しいか、わかる。
それを「推し野菜」としてPOPに書いて、もっと伝えていこう。
SNSで料理の投稿も出来るだけやっていこう。
「買う予定はなかったけど、これも買っていこうかな」ともう1袋手に取ってもらえれば嬉しい。

2月2週目の推し野菜はルッコラ!

3. セット商品の販売

農家になって思うことは、野菜の値段は安い!ということ。もちろん、珍しい野菜とかトマトやトウモロコシなど単価の高い野菜もあるけど、普通の野菜は1袋¥150〜200。うちはこれでも産直より高いけど(笑)
こたろうファームの人気商品「高原野菜のサラダセット」
季節により5〜8種類くらいの葉物野菜が少しずつ入って、¥250〜¥300。
1人〜3人暮らしをイメージして作る。これがよく売れる。週末は他のマルシェも合わせると20〜30袋以上売れることも。
しかし、セット商品を組むのは時間がかかる。
収穫段階から何をどれくらい採るか、どの袋に入れるかサイズも考えないと。
「サラダ向け根菜セット」「ポトフセット」「バーニャカウダセット」「サラダに映えるトマトセット」「スティック野菜セット」などなどアイデアは浮かぶ。
後は私がどれだけ時間を作れるか。
セットにすれば、単価も上がる。
今年はなんのセットが売れるかリサーチしながらやってみよう。

ある日の「高原野菜のサラダセット」

正直、無人販売所でこんなに野菜が売れるなんて思ってなかった。
paypayの導入は、お釣りを気にせず買い物ができると好評だし、客単価が上がった。
なにより常連のお客様が増え、野菜の取り置きを頼まれたり、野菜ギフトの注文を受けたり。
レストランやホテルでうちの野菜を食べたから、と帰りに寄ってくれる方も増えた。
友達を連れてきてくれる方も多い。

しばらく顔を見ないシニアのご夫婦がいるとちょっと心配になったり、定期便のお客様が直接買いに来てくれて嬉しかったり。
誰もいなくても当然だし、たまたま私がいれば世間話ししたり、野菜の紹介や那須の情報を教えたりする。
「今日はこたろうファームの野菜を買いに行こう!」のお客様に加えて、
「近くまで来たから寄ってみようかな」ってお客様も増えてほしい。
そして「寄ってみてよかったー!また来よう!」と思ってほしい。
15%の売上UPは、お客様の満足度を15%UPさせることに違いない。

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