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特集 -人名が由来となった宝石-

●序文

宝石って色んな名前がついていますよね。
ダイヤモンド、サファイア、トパーズ、ガーネット…それぞれの名前にはそれぞれの由来とその名で呼ばれるに至った物語があります。
古くからある宝石には、神話に登場する神様や、見た目の色、重要な産地にちなんでつけられたものが多くあります。
しかし比較的新しい宝石には人名が由来になっているものが結構たくさんあるんですよね。
でも、この切り口で網羅的に一覧をつくってまとめてるところが見つからなかったので、名称の由来で特集を組んでみるのもおもしろいと思って、つくってみました!
発見者の名前、偉人の名前、色々なパターンがあるので、一挙にドドドっと紹介しちゃいます。

●メジャーな人名宝石

手始めにメジャーどころをいくつか紹介します。鉱物好きな方ならみんな知ってるやつですね。

プレーナイト

出典:Wikipedia

鉱物名に人の名前が付けられた最初の石といわれています。
1788年に南アフリカの喜望峰で発見されました。オランダの鉱物収集家で軍人のヘンデリック・フォン・プレーンの名前が由来です。
当初はカルセドニーだと思われていましたが、1790年に地質学者のアブラハム・ゴットロープ・ウェルナーによって新種の鉱物である事が判明しました。ウェルナーは現在の鉱物分類の基礎をつくった人物です。
鉱物サンプルの発見者にちなんだ命名ですね。

アレキサンドライト

出典:Wikipedia

光源によって大きく色を変える不思議な性質で人気の宝石です。
1830年にロシアで発見された宝石で、当初はエメラルドだと思われていた宝石でしたが、昼の日光の下ではグリーン、夜の照明の下ではレッドになるという不思議な性質を持った珍しい石でした。
そこで、当時のロシア皇帝ニコライ1世に献上され、献上された日である4月29日が皇太子アレキサンドル2世の誕生日だったため、 それを記念してアレキサンドライトと名付けられました。
権力者の名前が由来となったネーミングですね。

モルガナイト

出典: Wikipedia

エメラルドやアクアマリンと同じベリルの仲間で、桜のような温かみのあるピンクが素敵な宝石です。
1910年にマダガスカルで発見されました。ティファニーの宝石鑑定士で、宝石学者のジョージ・フレデリック・クンツが、彼の支援者である銀行家で宝石コレクターのジョン・ピアポント・モルガンに敬意を表して名付けました。
こちらは発見者に所縁のある人物にちなんでいます。

クンツァイト・ヒデナイト

モルガナイトの名付けに関わったクンツも宝石の名前になっています。それがクンツァイトという宝石です。

クンツァイト 出典: Wikipedia

見る角度によって色が変わり非常に美しいものの、劈開で割れやすく、日光に敏感で退色しやすい貴重な宝石、スポジュメンの一種で、ピンクやパープルの変種をクンツァイトと呼びます。

スポジュメンには成分によって色の違う変種がいくつかあり、イエローのものをトリフェーン、グリーン系のものをヒデナイトと呼びます。
そして、このヒデナイトも人名由来宝石なんですね。

ヒデナイト 出典: Wikipedia

ヒデナイトは、発見者である冒険家で鉱物コレクターのウィリアム・アール・ヒデンにちなんで付けられています。
これらは、発見者ですね。発見者といっても、サンプルの発見者ではなく、鑑別者というパターンです。

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