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チップを要求する運転手@ナンガンバッカム

30分くらいたっただろうか。タクシーは無事ホテルに到着した。

「Tip.」
タクシー運転手が後部座席の私をみながらチップを要求してきた。
チップって要求するものでしたっけ?
しかもチップに値するような素敵なサービスや安心のドライビングしてくれてないですよね?そんな思いが込み上げてきたので、丁重に(?)お断りした。
「細かいお金持ってないから、ごめんねー」
実際そうだった。両替してからタクシー予約窓口で700ルピーを支払っただけなので、20ルピー札1枚と50ルピー札数枚しか持っていなかった。

しかしタクシー運転手は粘る。
「お前の行き先がわかりづらかったから探してやったんだぞ。Tip.」
何を言っているのか理解できていないふりを装おうものの、タクシー運転手の気迫に負けてしまった。
私は財布の中の20ルピーを取り出し彼に渡した。
呆れたように笑いながらタクシー運転手は文句を言う。
「いや、少ねーだろコレ」
おっしゃる通りです。でも、私はあなたにお金をあげたくないのです。
(20ルピー=40円弱)

文句を言い続けるタクシー運転手に対し、
「ごめんね、来たばっかりでインドのお金の価値わからないんです」
と私も見え透いた言い訳をする。
このやりとりは永久に終わりそうもないため、Thank you.といい一方的に車を降りた。

これから先もお金を巡るオートやタクシードライバー達との攻防は続く。
彼らの低い年収を補うにはチップは大切な収入源なのかもしれないけど、くれくれ言われるとあげたくなくなるのも人間心理なんだよなあなどど、お金について考えるきっかけになった。


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