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ちょめちょちょめ ねこまんま様


『やっちゃったなんてもんじゃないどうしようどうしようどうううう。う〜う。うう…うう…✖︎✖︎くん…うう…やっちゃった殺っちゃた…』
横たわる先程まで美しい造形を保っていた、今はぐちゃぐちゃの、顔が歌舞伎町に転がる嘔吐物みたいになってしまった彼を憂う。
事態は深刻。行く末監獄。にゃはは。
笑ってる場合では無いのだ、こんな時でも人間どうにかしようとは思うもので己の貧弱な腕で愛しのダーリンの亡骸をせっせと掘った穴の中に引き摺り込む。えーん。こんなはずでは。
愛しているから、じゃダメですか神様。
ちょっとの不安は狂気に変わり手に取ったナイフは当たり前だが凶器となった。
なんでこうなったか、場面は一時間前まで戻る。


✖︎✖︎くんは優しい。
『○○は何にもできないから、何にもしなくていいんだよ。自分の顔が嫌いって泣き喚くなら納まるまで頭撫でてあげるし働けないならお金は俺が用意してあげる、お風呂に自分で入れないなら俺が入れてあげる。SNSやらないで?やめてあげる❤︎大丈夫。大丈夫、大丈夫だよ』

彼の甘やかしの暴力にどっぷり浸かった私は気付けば本当の本当に何も出来ない女の子になっていた。
実家暮らし。 無職。 貧弱な体。
それでも彼はありとあらゆる方法で私が泣かないで済むように環境を作ってくれた。
大好き…( ;  ; )泣❤︎
でもそんな彼だから、モテるわけです。
いくら彼が無関心でも女の子ってお構いなしじゃ無いですか、バカだから。そして私がこんなんだから、舐められるわけです。残念ながら私が恋人だから彼は言い寄られていたわけです。




悲しい、悔しい、惨めで殺したい。

劣等感ってなによりのスパイスだと思います。
彼の隣が幸せで彼がいるのが嬉しいわけです
ただこんな私だから、いつ捨てられてもおかしく無いわけです。だから彼が悪いんです。


『ぎゅー!して!!』駄々をこねる私にヘラっと笑って寄ってきた彼を殺すのは容易かった。
バットで殴打でナイフでとどめです。
貧弱な私の貧相な発想でこの恋はバッド…

ううん。ハッピーエンドだもん。
だって永遠だもん、うれし。
もうこの地面の中の彼しか本当じゃ無いわけだ。
会いたい時に会えるのはもうこの世で
この場所を知っている私しかいない。
毎日来て、彼が好きだった曲を流してあげよう。
地面に向かってキスをしよう。
許して欲しい、とか無いよ?
悪いとしたら彼だもん!
彼が私を不安にさせたから悪いし
彼が私より優れているから悪い。
私を甘やかす時の言葉がマンネリ化してる気がする
彼が私を見る目が冷たい気がする
彼の食べる趣味が変わった気がする…女⁈
彼が、彼が、彼が彼が✖︎✖︎くんが…。
責任転嫁のオンパレードを彼はどう思うかな
こんな時でも『仕方ないなあ』ってニコニコ笑いながら許してくれそうな気がするのだ。
彼が埋まった地面を見て泣き笑いを浮かべる。
でも私、ほんとにほっとしてるんだ。


もうこれでどこにも行けないはずだから。





終わり。𝑩𝑰𝑮 𝑳𝑶𝑽𝑬。


最近どハマりしてるねこまんま様のちょめちょちょめ。で妄想ミニ小説です🎌
毎度のことながらマジのオナニーなので悪しからず
PVに出てくるオスが可哀想で好きすぎる…
可哀想って可愛い!CANMAKE TOKYO。

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