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何の意味もない寂しさに襲われる頃

あーーきたきた。
特に悲しい出来事があった訳でもないのに寂しくなる現象。

ただいま夜中の12時32分。家族が全員寝静まり、既に日付が変わった頃、私はとてつもなく寂しい気持ちに襲われている。


今日、可愛らしくニコニコ笑う女性をアルバイトで接客したことを思い出していた。
店員にこんなにも好印象を与える笑顔を向けてくれる彼女に対して私はただ口角を持ち上げているだけだ。

彼女も笑顔を向ける余裕がないほど、悩むことがあるのだろうか。
たった数分関わっただけの赤の他人の人生さえ、私には青く映るらしい。

何か大きなこと成し遂げたり、絶体絶命な状況を乗り越えたりした人に比べたら私の悩みも喜びも全部ちっぽけだ。私の人生を小説にしても絶対に面白くない。
少なくとも冷えた牛乳を身体に流し込んで、胸あたりがひんやりする感覚如きで生きていることを実感しているようなうちは。

それでも、私の小さな世界ではそれなりに大きなイベントや事件が起きてきた。多くの人と関わってきたし、人並みに恋愛もしてきたつもりだ。
それなのに、それらがまるでなかったかのような空っぽを味わわされるのは何故?しかも定期的に。

これは空っぽを埋めるために「寂しさ」という名の虚像で埋め尽くされる時間。まるで何かがあったかのように、錯覚させてくる奴ら。
だからこの感情には本当に何の意味もない。

私が何の意味も無い寂しさに襲われる頃、外の人工的な光が徐々に少なくなってくる頃、
まだ残っている光は、私と同じようになんとなく眠れない人か、趣味を楽しんでいる人か、どっちだろうな。

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