河合電子ピアノのRHS鍵盤について
本記事は私個人の想像です。
私が電子ピアノ用の鍵盤で一番評価していないのはヤマハのGHS鍵盤であるが、その河合版と言われるのがRHS鍵盤だ。
公式HPが掲示している情報は以下の通り。
アイボリータッチなし、エボニータッチなし、レットオフ・フィールなし、カウンターウェイトなし
要は白鍵は象牙調でない、黒鍵は黒檀調でない、エスケープメントなし、カウンターウェイトというのは、河合独自のもので鍵盤の手前につけた重しでありこれでグランドピアノに近づけるものらしい。
このRHS鍵盤は、RHⅢ鍵盤の廉価版であり、RHⅢは個人的にはこのクラスの鍵盤では最高の鍵盤だと思う。
しかしRHSについては、GHSに並ぶ最低の鍵盤だと思う。(あくまでも個人の感想です。)
ちなみにRHⅢ鍵盤には上の4つは全て実装されていて、ヤマハがやたらどやって宣伝しているGH(グレードハンマー)、すなわち音域毎にハンマーの重さを変えるのは当然やっている。
さてヤマハのGHS鍵盤が従来のGH鍵盤とは別物のGHの上に電子キーボード用の鍵盤を乗っけたものではないかと以前考察したが、鍵盤構造写真を見るにRHS鍵盤はRHⅢ鍵盤をもとに機能削減と重量削減を行ったものだと思われる。
このあたりの鍵盤構造写真をHPに掲載するのは、決してGHS鍵盤の構造を明らかにしないヤマハよりは潔い
まずカウンターウェイトという重しを外し、さらに金属製部品の多かったハンマーの金属部分を減らしている。
これだと絶対に鍵盤のタッチは軽くならないわけがないし、自分もGHS鍵盤より軽くセミウェイテッド鍵盤かと思ったほどだ。
実際、私以外も河合の協力を得て当然忖度しているだろうあるピアノ講師のレビュー動画の中でも鍵盤のタッチが軽いと言っている。
さて上記の4つ以外はどうか?
まず鍵盤支点長であるが、これは写真で比較してみるとRHⅢと変わらない。
この部分は、GHS鍵盤よりもいいと思える。
次にセンサーであるが、RHⅢは水色の3センサーだが、RHSは灰色だ。
写真でははっきりしないがラバースイッチの長さから推察するに2センサーではないかと思われる。(これは個人の根拠なき想像ですのであしからず)
このセンサーというかラバースイッチはRHⅢでは手前に向けて傾斜させて配置させているが、RHSでは水平だ。
これは、ヤマハのGHSとGH3と同じで、同音連打性を上げるための3センサー化のために必要措置だと思われる。
したがってこの構造から見るに同音連打性はRHⅢより低いと思われる。
あとは、音域毎にハンマーの重さを変えることであるが、これは不明だ。
しかしRHⅢ鍵盤の写真を見るにハンマーの鉄部分に「W4」という刻印が見え、RHSにはそういうのが見えないので、もしかしたらやっていないのかもしれない。
これについては、GHSのほうが優れているように思われるが、そもそも鍵盤が軽いGHS鍵盤においてGHの意味があるのかと思われる。
後は耐久性だが、ハンマーの部分を金属を減らしたことが気になる。
ヤマハのハンマーは曲げた針金なので耐久性は高いが、それ以外のメーカーは、皆同じような形状のプラスチックと鉄を合わせたハンマーで、結構これが割れる。
まあこれもヤマハのGHS鍵盤はハンマー部分の堅牢性に対して鍵盤部分の弱いような気がして、そのバランスの悪さから鍵盤がガチャガチャ言い出す原因になっているのでは想像している。(個人の想像です)
全体的に見るとどっこいどっこいだ。
まあ、上記のようにRHⅢでグランドピアノのタッチを目指して付けられた殆どの機能をオミットしてるにも関わらず、このRHS鍵盤「まるでグランドピアノの弾き応え、細部までタッチ感にこだわりました」だそうである。
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