ヤマハはシンセなどの鍵盤楽器に積極的でないわけ
かつてヤマハはDX7というFM音源シンセを比較的に安価な値段で出し音楽シーンを一変させた。
それまでのアナログシンセは高価でさらに自分たちで音を作るのが当たり前に時代だった。
それを「自分たちで音を作らない」すなわち「プリセット」を使う事が当たり前の時代に変貌させた。
何故か?
それはあまりFMでの音作りが難しかったからである。
そして元々プリセットで入っていたエレピやブラスの音が今までアナログシンセにはできない斬新的かつ奇麗な音であり、さらに「向井なんとかパック」とか出てみんなプリセットを使うようになった。
まあ、そう言っても昔ながらのmoogとかの太い音は難しかったりしたので、今のクラブシーンではFM音源のポジションは高くない。
その後は、サンプリング。
かつては1000万以上したサンプリングシンセが数十万で買える時代になった。
ヤマハはDX以降もシンセ関連の新製品を積極的に開発して販売していた。
しかし今はお世辞にも積極的とは言えない。
何故か?
それには2014年の半導体事業からの撤退が大きく影響していると思われる。
実はFM音源などはシンセやキーボードよりもガラケーやゲーム機に多く搭載されていたのである。
しかしスマホの台頭によりガラケーがなくなると一気に音源チップの需要が減少した。
私は、このゲーム機や携帯の音源チップ需要があったからこそ、その基礎技術となるシンセの開発にも力を入れていたのではないか?
今はそれがなくなってしまい、シンセもソフトシンセにどんどん移行していく中で、もはやハードシンセを作る経営的な意味が薄れていると判断したのでないか?
だからあくまでも個人的意見であるが、これからヤマハから画期的なハードシンセやプロ用キーボードが出てくることは期待できないと考える。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?