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夜桜に出会いませんように

街に桜が咲き始めた。

ちなみに見出し写真は、Ghostwire: Tokyoの中での桜だけれど、現実は虚構よりはるかに綺麗だ。

ありきたりだけれど、桜が咲くと街が華やいで見える。何の魅力もなかった街角が急に輝き出す。桜ってきっと何らかの魔力を持っている。「櫻の樹の下には…」と考えてしまうのも無理はない。


一方で、華やかな街に空っぽな自分はどうやっても似つかわしくないなぁなどと思ったりする。あ、でも、空っぽならば問題ないのかもしれない。誰の邪魔をするでもなく、自分の中を春風が吹き抜けてゆくだろうから。誰の邪魔などしないよ。


何故だろう、春の夜はいつも穏やかで、昼間あれだけ吹いていた風も大人しくなる。だからだろうか、夜に見る桜は静止画のように動きがない。蛍光灯の灯りの所為か、花も微かな桃色というよりも青白く見える。蛍光灯の下、動きも色も失った夜桜を見ていると、そこだけ時間が止まっているような感じがする。またいつかの春、住宅街の路地裏で見上げた夜桜のことを思い出したりする。その時何を考えていたのだろう、もう忘れてしまったけれど、満開に咲き誇る桜のその後はただ散るばかりと知っているから、ひどく寂しく見えていた。春の夜は寂しい。

今年も花見に行くことはないだろうけれど、どうか、夜桜を見ることもありませんようにと願ったりする。その時こそ、気が触れてしまいそうだ。



Ghostwire: Tokyoは7日目。仕事で一日中座りっぱなしで、なんだかお尻が痛かったからか、今日はあまり集中できなかった(ゲームに集中するってなんだ)。虚構の街を歩き過ぎて、現実との区別がつかなくなったなんてことはないが、公衆電話を見るとセーブできるような気がしてきた。実際、このゲームでも公衆電話でセーブすることはないんだけど。

人のいない下町ってひどく寂しい。年度末、やっと仕事が落ち着いた。と思ったら明日は新年度らしい。ナンダソレ。結局、年末からずっと、落ち着くことはなかった。新年度もすぐ仕事が始まる。いつになったら心が休まるのだろうなどと思ったりする。下町の景色はそんなことを考えさせた。

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雨降る下町
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団地の灯り


今日は出会った犬達もなんだか疲れていた。食べ物をあげると急に元気になるのがなんだか羨ましい。その姿を見て自分も元気になることは出来なった。精神的なものではなく、純粋に今日は疲れている。そういえば、今日も狸には出会えなかった。

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狸ではなく『薄汚れたポメラニアン』なんです。いやほんとに




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